イーロン・マスクも気に掛ける日本の少子高齢化。ただ、世界を見渡せば日本を猛追する国がある。一方で少子化を食い止めている国も。両者は何が違うのか。日本は何か学べるのか。そして、そもそも少子化は悪なのか。
──日本は独りじゃない。
2020年の合計特殊出生率は1.34ですが、韓国、中国のそれはそれぞれ21年0.81、20年1.30と日本を下回り、中国では「未富先老(豊かになる前に老いる)」という言葉が表すように、すでに高齢化が問題になっています。
──文化的要因があるようですね。
東アジアの国々に共通するのは、子供を持つ前提が法律婚であることです。事実婚が多い欧米と比べて結婚へのハードルが高い。そこには儒教、家父長制など文化的影響があると思います。
例えば、韓国では結婚の際に男性が家を準備するという慣習がありますが、ソウルで100平方メートルのマンション価格は21年で約1億2500万円です。女性の場合は「結婚後」が問題になります。アジア通貨危機で女性の社会進出が進んだものの、女性が家事、育児をすべきという社会の雰囲気は変わっていない。
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