株価が長期上昇!「いい決算」3つの簡単見抜き方 決算説明資料から企業の成長を読み解く技とは

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決算短信はどの企業もほぼ同じ形式です。

一番大切な内容は決算短信1ページ目の冒頭に記載されている「経営成績(累計)」です。ここにはその企業の売上高や利益が前年同期比でどれぐらい増減したか、単刀直入にすべて記載されています。

日本基準の場合は「売上高」「営業利益」「経常利益」「親会社株主に帰属する純利益」の4つが記載されていますが、前年同期比の増減率が一番の注目ポイントです。

IFRS(国際会計基準・国際財務報告基準)の場合は売上高が「営業収益」、経常利益が「税引前利益」と、異なる名称が使われています。

会計基準の違いはあまり深く考えなくてもいいと思います。一番大切にしたいのは、第一印象。その企業のその期の業績が前年同期に比べてどれぐらい伸びているか、落ち込んでしまっているかを増減率でチェックします。

株価が長期上昇する「いい決算」とは?

決算短信は株価の上昇や下落の原動力になります。

特に投資家の度肝を抜くようなポジティブ・サプライズな決算短信が出たあとの株価上昇は、単に発表直後だけでは終わりません。株価の長期的な上昇トレンドが続く"号砲"になることもあります。

そういった決算は絶対に見逃さないようにしたいもの!

株価を長期上昇トレンドに導く「いい決算」のポイントとしては、

①業績の第一印象(前年同期比)
②業績の上方修正(第1四半期であれば、さらにインパクト大)
③株主還元の有無(株主配当金の増額や自社株買い)

この3つの条件すべてを満たした決算なら、たとえ発表直後にすでに株価が急騰していたとしても、その後も株価の上昇が継続する可能性が高いので、追撃買いも考えたいところです。

さらに、決算短信1ページ目の一番下か、2ページ目の冒頭にあることが多い、その決算期の通期業績予想が上方修正されているとさらにポジティブ度数が上がります。

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