米国で銃乱射が「日常茶飯事」になりつつある異常 昨年は61件の乱射事件が発生し、103人が犠牲に

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そうした問いかけには、連邦レベルではほとんど何もしていない、という決まり切った答えが用意されている。深刻な銃乱射事件でアメリカ人の良心が揺さぶられ、銃販売時の身元確認強化の機運が高まるたびに、共和党はしばしば合衆国憲法第2条を引き合いに出すことで、こうした動きを阻んできた。

その一方でテキサスなどの州は国内で最も緩い銃規制で先を争い、「責任ある銃所有者」の州であることを自らの誇りとしている。近年、銃乱射事件が頻発しているにもかかわらず、テキサス州には100万人を超える銃所有者がいる。

テキサス州知事グレッグ・アボットは 2021年、一連の法改正に署名し、免許がなければ拳銃を携行できないとしていた従来の制度を撤廃。今では21歳以上の住民なら事実上、誰でも拳銃を携行できるようになっている。この歴史的法律により、同州は拳銃の携行に関する規制を基本的になくす「憲法で保障された権利による携行」をとくに大々的に導入した州の1つとなった。

全国で注目される事件はほぼ一部になっている

アメリカでは銃乱射事件があまりにも当たり前となっているため、全国的に注目される事件はごく一部に限られる。例えば、バッファローで銃乱射事件があったのと同じ週末には、ミルウォーキーの中心街で銃撃事件があり、13人以上が負傷している。当局によると、現場近くの会場では、数時間前までアメリカバスケットボールNBAのプレーオフが行われていたという。

アメリカ連邦捜査局(FBI)が23日に公表したデータは、銃の乱射が急増してきていることを示している。

FBIによると2021年に発生した銃乱射事件は61件で、103人が殺害され、130人が負傷した。2017年以降で最悪の数字だ。自動小銃が使われたラスベガス・ストリップ銃乱射事件などによって、2017年には死者数143人、負傷者数百人という大きな被害が出ていた。

2021年に発生した銃乱射事件の件数は、2020年に対し52%、2017年に対しては97%の増加となっている。

(執筆:Thomas Fuller記者)
(C) 2022 The New York Times

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