米国で銃乱射が「日常茶飯事」になりつつある異常 昨年は61件の乱射事件が発生し、103人が犠牲に

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銃乱射事件が相次ぐ理由は、よく知られているし、論争の余地すらない。非営利団体「スモール・アームズ・サーベイ」が行った 2018年の調査によると、アメリカに存在する銃の数は4億丁と、3億3100万人の人口を上回る。

護身用に購入される半自動式拳銃の売り上げが、主に狩猟に使われるライフルを上回るようになって、10年以上が経つ。

新型コロナ禍も銃購入ブームに拍車をかけた。アメリカ司法省のアルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局が5月に公表した報告書によると、アメリカ国内で生産される銃の数は2000年には390万丁だったが、20年には1130万丁まで増加。その圧倒的大部分が国内にとどまっている。

子どもの犠牲者が増えている

銃の犠牲者は増える一方で、とくに子どもで犠牲者の増加が目立つ。アメリカ疾病対策センター(CDC)は、14歳以下の子どもが銃で死亡する割合は、2019年末から20年末にかけておよそ50%増加したと報告している。

銃による死亡を追跡している「ガン・バイオレンス・アーカイブ」のデータベースによると、殺人事件や銃撃事件で殺された18歳未満の子どもやティーンエイジャーは2020年には1380人だったのに対し、2021年には1500人を超えた。

ウバルデの銃乱射事件には、現場で射殺されたとされる18歳の容疑者男性が使用した武器やその入手経路など、まだ明らかにされていない点も多い。ただ、事件がもたらした精神的な混乱は、悲しいほどお馴染みの光景となっている。

「われわれはなぜ、このような殺戮を受け入れているのか」。アジア歴訪から帰国した24日夜、大統領ジョー・バイデンはそう語った。「われわれはなぜ、同じことが繰り返されるのを許しているのか」。

サンディフック小学校の事件当時はまだ若手だったクリス・マーフィー上院議員(コネチカット州選出)は24日、連邦議会で次のように発言し、同僚に強く行動を呼びかけた。「私たちは何をしている? いったい何をしているんだ?」

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