日本で起こる「非伝統的日本人」への無意識な差別 吉野家の面接拒否は氷山の一角ではないか

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「こうした体験は(心身に)蓄積されます。実力を見てもらうことさえできずに先入観で判断され、何分の一、何十分の一に減点されると、大きく傷つきます」と、話すのは、TELL(英語いのちの電話)でコミュニティサービスマネージャーを務める、混合的ルーツを持つ日系アメリカ人のセレナ・ホイ氏だ。

「それは、『どこの国の出身ですか?』というような無邪気な質問の場合もあれば、日本国籍があるにもかかわらず名前だけで就職を拒否されるといった露骨な行為の場合もあります。そうしたことが積み重なって、自分の居場所はない、歓迎されていないと感じるようになるのです」

「こうした断絶感や孤立感は、不安やうつといった精神的な問題を引き起こしたり、悪化させたりします」と、ホイ氏は指摘する。「もちろん、混合的ルーツを持つ人すべてが精神的な問題に直面しているわけではありませんが、TELLでは、文化の違いからくるストレスやプレッシャーを感じ、自分は社会から取り残されている、あるいは不適合者だと感じている人たちの話を聞くことがよくあります」。

日本に少なからず起きている意識の「変化」

学生の投稿をきっかけに、SNS上で吉野家の対応への反発が生じた。性別不明のこの学生によると思われるツイートで、この応募者は日本国籍だと言っている。こうした反発は、今回のような事件をなくしたければ、こうした行為を軽蔑すべきだという意識が日本国内で高まっていることを示している。

吉川氏は、「この人の経験をとても気の毒に思います。私も経験しましたし、多くのハーフの人たちが経験しています。でも、多くの人が沈黙している中で、この人が声を上げたからこそ、メディアに取り上げられ、日本中の人たちがこの事件を話題にするようになりました。それが、変化を起こす方法です。誰かが勇気を持って立ち上がり、『これは間違っている!』と声を上げることが必要なのだと思います」と語る。

上梨氏もまた、日本国内のハーフの人数も知名度も増大しているため、事態は改善に向かうだろうと感じている。

「現在、日本には混合的ルーツを持つ子どもたちが多くいます。私の世代には、尊敬の対象となるハーフの先人たちがあまりいませんでした。でも、これからの世代には、自分たちと同じような容姿を持ち、日本での経験を理解してくれる多くの尊敬できる人たちがいるはずです。混合的ルーツを受け入れて、大切にし、素晴らしいことを成し遂げようと努力するように励ましてくれるでしょう」と上梨氏は言う。

吉野家の採用情報ページには、「組織の活性化を目的に、外国籍社員の積極的な登用を続けています」とある。宮ケ迫氏はこのことに期待している。「吉野家が外国人を採用すれば、すでに入社している人たちの声を聞くことができ、入社希望者への差別を防止し、今回のような事件の再発を防ぐことができるかもしれません」。

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

2004年来日。作家として日本での生活に関して2作品上梓したほか、ジャパン・タイムズ紙のコラムニストとして、日本に住むアフリカ系の人々の生活について執筆。また、日本における人種や多様化問題についての講演やワークショップも行っている。ジャズと映画、そしてラーメンをこよなく愛する。現在、第1作を翻訳中。

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