アメリカの教会で台湾人が台湾人を襲撃した理由 襲撃事件で露呈した中国統一派「韓粉」の過激さ

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中国からの何かしらの指令を受けて犯行に及んだのではないかと、さまざまな疑惑が飛び交う中、ラスベガス中国和平統一促進会会長はメディアのインタビューで、チョウは設立日の集会に参加していたが、考えが急進的で馴染めず、実際の活動はほとんどしていない。また韓氏のことを称えていたが自著の宣伝のためで、中台統一を志向する人々が集まっていたことからとくに問題とは思わない。さらに、ラスベガスの中国和平統一促進会は独立した組織であり、北京の中国和平統一促進会の支部ではないと語った。依然として核心部分について疑念が残る中、当局の捜査と今後のチョウの裁判に注目が集まっている。

今回、全米を震撼させた凶悪事件において、チョウが韓粉だったことが明るみになったことで、台湾では「やはり」「さもありなん」という雰囲気が漂っている。また、今後、台湾だけでなく、日本やアメリカ、世界が注意しなくてはならない状況だ。

相手をねじ伏せて主張を通そうとする韓粉

これまで韓粉は、台湾の選挙戦でたびたび意見が異なる有権者への嫌がらせ等で物議を醸してきた。今回の事件で、嫌がらせをするどころか人さえ殺めることもいとわないことが明らかになった。韓粉に共通するのは、「中台統一の大義のためなら多少の狼藉は構わない」という点だ。興奮が度を越し暴徒になったフーリガンとは異なり、韓粉には政治信念として中国統一があり、まったくぶれることがない。

民主国家においての大前提は、異なる意見について賛成の必要はないが尊重することにある。しかし、韓粉は時に相手をねじ伏せても自らの主張を通そうとする。そして、習近平政権が掲げる中国の偉大な復興に呼応するように活動も過激化させているのだ。

本来、国民党と共産党は相いれない仲だが、現在は中国統一の目標下で、歴史上、何度かあった「国共合作」と似たような状況にある。有権者離れが進む国民党にとって、韓粉を取り込むことで選挙戦を有利に進めたいようだが、彼らに寄り添えば寄り添うほど、有権者離れが加速することは過去の選挙戦でも明らかである。

また、韓粉が過激化する理由として、国際社会も台湾を中国とは違う主権国家であることを当然視する流れが強まり、中国が掲げる統一が難しくなっていることがある。中国と韓粉の焦りの裏返しとも言えるのだ。いずれにしても、中国統一を声高に掲げて過激さを増す韓粉と、呼応する中国に、日本を含む民主国家は警戒すべき状況にあるだろう。

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