「何でも消毒する人」が知らない不都合な真実 おそらくあなたの消毒法はの間違っている

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

核心に入る前に、清浄と消毒の科学的な違いを説明しておこう。清浄は、ほこり、パンくず、細菌、犬の毛など、表面に付着したものを取り除く。これに対してウイルスや細菌を殺すのが消毒だ。

清浄は定期的に行わなければならないかもしれないが、ハートマンによると、殺菌(消毒)は病気を引き起こす危険な細菌についてだけ行うように気をつける必要がある。危険な細菌がいる場所はたいてい予測がつく。

例えば、生肉を扱った場合を除けば、キッチンカウンターを毎日消毒する必要は、おそらくない。また、サルモネラ菌やノロウイルスなどに感染した人が家にいなければ、トイレを執拗に消毒する必要もない。

11歳の子どもが朝食時にメープルシロップをテーブルにこぼしたときのような一般的な汚れに対しては、消毒用ワイプを使う必要はない。ベトベトした汚れは石けんと水を使えば落ちる(石けんは手についた細菌を落とすのにも最適だが、そのためにはよく泡立てて20秒間洗う必要がある)。

消毒剤の使いすぎには長期的リスク?

何でも消毒すればいいじゃないか、と思う人もいるだろう。だが、第4級アンモニウム化合物など特定の消毒剤の使いすぎには、長期的なリスクが伴う。「QUAT(クワット)」と呼ばれるこれらの化合物は、ライゾールやクロロックス・ブランドのスプレーやウェットティッシュなど、多くの一般的な家庭用クリーニング製品に含まれている。こうしたクリーニング製品は抗生物質耐性菌の危険を増大させるおそれがあると、ハートマンは指摘する。

さらに、テキサス大学オースティン校で消毒剤を化学的に研究しているパヴェル・ミスタルによれば、漂白剤、アンモニア、クワットなどの消毒剤は有害となりうるガスを放出するという(ただ、これがどの程度憂慮すべき問題なのかについては、取材した専門家の間でも意見が分かれた)。

というわけで、消毒剤は殺菌が必要な場合に使用を限定し、単にきれいにしたいだけのときには使わないようにしたい。

次ページそのやり方では効果なし
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事