企業活動を肯定的に捉え、「尊敬」と語る学生もいる。たぶん出会った企業の種類によっても学生の資質によっても、否定的に捉えるか、肯定的に捉えるかの違いが生まれるのだろう。
「大学生の最後に、社会を知ることがどれほど大事かを痛感した。世の中にはどのような仕事があるのかをもっと早く入学時から知っておきたかった」(文系・中堅私立大)
「消費者として生活していると企業名に馴染みがないと感じることが多いが、就職活動を経て、日常にはたくさんの企業が関わっていると感じ、企業への尊敬の念が生まれた」(文系・その他私立大)
転職サイトで“真実”を知る
就活サイトが登場したのは1990年代半ばのことだが、地位を確立したのは通信インフラが普及した2000年代前半。就職活動の情報を学生同士で書き込む口コミサイト「みん就(みんなの就職活動日記)」も2000年代はじめに誕生した。
しかし、当時の「みん就」の利用学生は「意識高い系学生」と呼ばれ、就活生のなかでは少数派だったはずだ。だが、いまは違う。多くの口コミサイトが登場し、学生の「PRではなく、本当のことを知りたい」というニーズを満たしている。
いくら採用人事が就活サイトや採用ホームページのコピーやデザインを工夫したとしても信用されていない。第三者の評価によって志望を決める学生が増えている。
「企業の口コミサイトをよく見るようになった」(文系・その他国公立大)
「説明会では企業側にとっていいことしか言わない。本当にその企業のことを知ろうと思ったら口コミサイトや掲示板を見るしかない」(文系・早慶大クラス)
新卒学生の口コミだけでは足りないと考える学生もいる。「転職サイトと就活サイトの会社の評判が違うこと」(文系・上位私立大)のように、社会人未経験の学生の意見ではなく、働いている人(社会人)の意見を重視する学生もいる。
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