「会社四季報」は年4回、毎号読むから意味がある 超ベテラン編集者が教える「損しない」読み方

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ちなみに逆のケースもある。消費者向けEC(電子商取引)業者に対する決済処理サービスを手がけるGMOペイメントゲートウェイは、2021年夏号で上場以来はじめて年収が減少している。

こうした変化は、会社四季報を毎号チェックするからこそ気づけるものだ。実は株価はこの変化を先取りするかのように動いている。

なぜ年に4回発行するのか

そもそも会社四季報はなぜ四季報なのか――つまり、年4回発行するのだろうか。多くの人は「企業の決算が四半期ごとにあるから」と答えるだろう。

しかし、それは違う。アメリカで四半期決算が法令によって義務化されたのは、会社四季報創刊よりずっとあとの1970年だ。日本ではもっと遅く、四半期開示を導入する上場企業がちらほら現れ始めたのが1999年ごろ、金融商品取引法で法的に義務化されたのはさらに10年後の2009年3月期からである。

年4回の発行理由について、会社四季報創刊号は「本書発刊に就(つい)て」の中でこう述べている。

「言うまでもなく会社は生きたものである。ことに投資対象として株式会社を見る場合には、日々刻々の息吹を知る必要がある。だから1年に1回しか発行されぬ便覧のたぐいではその目的に不十分だ。そこで我々はもっと頻繁に3カ月ごとに創刊する会社四季報を作ったわけである」

会社四季報は義務化される70年以上も前に、四半期決算(実際には決算ではないが)の重要性を見抜いていたことになる。

改めて言うが、会社四季報は年4回読むことで、掲載されている情報の価値が倍増するのだ。「年に2冊買う」「1冊だけ買う」なんて、実にもったいない!

山本 隆行 『会社四季報』元編集長

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やまもと・たかゆき / Takayuki Yamamoto

早稲田大学法学部卒。『週刊東洋経済』編集部に通算10年所属していたこともあるが、記者、編集者としての人生の大半を切った張ったのマーケット中心にささげてきた。『オール投資』『会社四季報』編集長、四季報オンライン編集長を歴任。著書に『伝説の編集長が教える 会社四季報はココだけ見て得する株だけ買えばいい』。

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