「会社四季報」は年4回、毎号読むから意味がある 超ベテラン編集者が教える「損しない」読み方

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日経平均株価の構成ウェートがトップクラスに高く、日々の市況解説では必ずといっていいほど名前の登場する超有名銘柄なのに、株主数は世界にたったこれだけしかいない。

理由はどうもファストリの株価の高さにありそうだ。会社四季報に記載された最低購入額は、なんと740万7000円。株価ピーク時は1000万円以上必要だったこともある。個人投資家がおいそれと買える額ではなく、これで株主数が少ないのもうなずける。こうしたことも「へーっ! そうだったのか」という気づきに当たる。

「あれっ?」という気づき

一方、2つ目の「あれっ?」は、変化に対する気づきだ。

会社四季報の従業員欄に掲載されている年収が、3カ月前に出た前号からドカンとアップしていたら、誰しも「あれっ? なぜだろう」と思うだろう。

FA(生産自動化)センサーなどの検出・計測制御機器を手がけるキーエンスは、自社工場を持たず生産を外注するファブレス企業で、直販体制と「世界初・業界初」の開発力で営業利益率5割超の高収益力を誇る。

株価は今年に入ってから冴えないが、昨年末までは上場来高値を連日のように更新し1株7万円を超えていた超値がさ株(1単元あたりの単価が高い株)だ。企業価値を表す時価総額ではトヨタ自動車、ソニーグループ、NTTに続き4位に付けている。中でも驚くのは、社員の年収が製造業で日本一という点にある。

会社四季報2018年春号を見ると、平均年齢36.1歳、平均年収1861万円という高給取りである。これだけでもじゅうぶん驚きなのだが、3カ月後の夏号では35.9歳と年齢が微妙に若返る一方で、年収はなんと2088万円と、2000万円台に突入している。この変化が「あれっ」という気づきにつながる。

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