社民党とは沖縄や法人税率の問題で足並みが揃わない可能性が高い。
ということで、八方塞がり脱出のメドは立たない。結局、菅首相は「破れかぶれ解散」しか手がなくなるという見立てで、小沢氏は「解散は早い」と口にし始めた。菅陣営の前原外相も1月27日に「解散・総選挙に向けて態勢の整備を」と仲間に呼びかけている。
強い政権執着欲の菅首相が政権放棄や玉砕覚悟の解散を選択するとは思えないが、ダッチロール、レームダックの果ての政権立ち枯れ、野垂れ死にはあるかもしれない。だが、自公両党も民主党の反菅派も攻撃の決定打が見当たらない。
結局、立ち枯れ政権がだらだらと長く続くという最悪の展開もあり得る。「ならば救国大連立を」という声が噴出しそうだが、民主主義の死を招かないために、与野党とも真剣に議会制と政党政治の再生の道を模索する必要がある。
日本の民主主義の成熟度が試される瞬間が刻々と近づいている。
(写真:今井康一)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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