日本株を覆う「3つの霧」は徐々に晴れてきている 新たな霧も発生したが「大事」には至らない?

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では、3つめの霧であるウクライナ危機はどうだろうか。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、5月9日の「ロシアにおける第2次世界大戦の対独戦勝記念日」に一方的な勝利宣言をしなかった。逆に、マーケットから危惧されていた核兵器の使用などにも言及はなかったが、事実上の停戦とはならなかった。

このことから、現状のウクライナ危機は、深刻化こそ避けられたものの、問題の段階的縮小(停戦合意による危機緩和)までには至らなかった。逆に対立激化(消耗戦長期化)の可能性が高まったとみている。ただ、予断は許さないものの、極度の緊張状態はいったん落ち着いてきているようにもみえる。

周知のとおり、ロシアはウクライナ侵攻を「特別軍事作戦」と名づけている。国際法での「戦争」表現を使わないことで事実上、攻撃を正当化している。今後、もし、ロシアが「戦争」と表現すれば、核兵器や生物兵器など超法規的な措置をとる危険性も高まる。今は言ってみれば、土砂降りの雨が降っているが、最低限の視界が開けてきたような状態だろうか。

ロシアの「着地点」はどこなのか?

だだし、中期的には、ロシアの「着地点」を見極める必要がある。それにあたっては以下の4つのポイントを見極める必要がある。

すなわち、①ロシアが侵攻しているウクライナの東部地方と南部海岸地域はどのような決着になるのか?②NATO加盟を申請しているスウェーデンとフィンランドに対しロシアは侵攻するのか?③ロシアは欧米諸国(NATO加盟国)まで侵攻するのか?④強力なパートナーシップ宣言をした中国はロシアに対して慎重姿勢をとっているが、今後どのような方向性をとるのか?である。

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