グーグルは、なぜスペースXに出資するのか 30億人を直接つなぐ「衛星ネット構想」

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昨年にはフェイスブックが英国の無人航空機メーカーを買収し、トップレベルの航空宇宙科学の専門家たちを採用した。その目的は、高高度空間に無人機を配置して世界の未接続地域もつなげようというものだ。フェイスブックは衛星やレーザーを用いたネット接続の試みにも取り組んでいる。

各社それぞれ技術や収益化については異なるが、共通認識として、世界中の未接続地域を地上で物理的につなぐことは経済的に無理だとみている。そこで唯一の方法として、衛星などのワイヤレス技術を用いるということになってきた。

グーグルは、投資信託大手のフィデリティと合わせて10億ドルを民間ロケット会社のスペースXに出資すると発表した(イラスト:Liz Grauman/The New York Times)

グーグルにとってはもうひとつ利点がある。かねてからプロバイダ(インターネット接続業者)を避けて通る方法を模索してきたからだ。グーグルの経営陣はいろいろと新機軸を打ち出しながら、消費者と直結したいという姿勢を鮮明にしている。たとえば保険商品の比較販売、光ファイバー事業のGoogleファイバーなどで。

ハイテク専門情報サイトのインフォメーション(The Information)が最初に報じたとおり、グーグルは複数の携帯電話事業者と接触し、自社でワイヤレス通信を提供することを目指しているとの情報がある。「大手ネット企業なら、ケーブル会社や電話会社に干渉されることなく自由にビジネスを展開したいと思うものだろう」と分析するのは、カリフォルニア州メンローパークのベンチャーキャピタル(VC)、ドレイパー・フィッシャー・ジャーベットソン(DFJ)の創業パートナー、スティーブ・ジャーベットソンだ。彼はスペースXとプラネット・ラブズの両社の取締役を務めている。

宇宙計画は民間企業が請け負う

大空を翔けるインターネットという発想はハイテクブームの定番企画のようでもある。1990年代の半ばにも同じような試みがあった。

そのひとつがスカイ・ステーションだ。ブロードバンドの高速接続を必要とする地域の上空で、飛行船を成層圏に停留させるというものだった。これは需要不足のせいで成功しなかったと、衛星ラジオ放送シリウスXMの生みの親、マーティン・ロスブラットは言う。ロスブラットはスカイ・ステーションにも参加していた。現在バイオテクノロジー会社のユナイテッド・セラピューティクスのCEOだ。

「20年前は携帯電話で通話できるというだけでみんな大喜びしていた。モバイル機器でテレビ放送などというのは想定外だった」とロスブラットは語ったうえで、今日では帯域幅に対して「飽くことなき」需要があると付け加えた。

衛星事業への関心はそのサービス内容にも及ぶ。昨年グーグルは高解像度画像の小型衛星メーカー、スカイボックス・イメージングを約5億ドルで買収した。穀物畑の状況や、深い森の中の地形を調べることなどに利用できるものだ。

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