リアルな強さで独り勝ち、アパレルネット通販・ゾゾタウンが挑む新ステージ
前澤友作社長は物流の重要性を説明する。「アパレルのように実物が動くネット通販は、最終的には“物流”というリアルな世界での勝負になる。売り上げを拡大するためにはそれをさばけるだけの物流インフラがなくてはならない」。スタートトゥデイでは、この物流インフラを活用してショップ自社ブランドのネット通販運営を請け負う事業も展開。すでに多くの有力ブランドからサイト運営を請け負っている。
スタートトゥデイにしてみれば、表面上は他社のサイトであっても実質的にはゾゾで売っていることと変わりはない。物流の強みを生かすことで、ネット通販の実質的な囲い込みができるというわけだ。
「カッコいいブランドの取り扱いはゾゾの第1段階。これから高級品、普及価格帯などジャンルを拡大していく。いずれ、“ゾゾに行けばどんなファッションも便利に買える”ようにしたい」と前澤社長。高級ブランド専門の「ゾゾビラ」やアウトレット、リサイクルなどのサブサイトも次々と立ち上げている。
こうした成長を支えるため、新たな物流拠点の設置計画にも着手している。現在、ピーク時処理能力の年換算で1000億円超の取り扱い能力を持つが、これを5000億円程度にまで引き上げたい考えだ。
物流という、リアルで手間暇のかかる部分でますます競争力を高めるスタートトゥデイ。
それだけではない。日々蓄積する商品データをメーカーやほかの通販サイトに公開する「ファッションデータベース」事業も開始した。このデータを使えばネットでの商品販売が容易になるだけでなく、事業者間取引の効率化にもつながる。スタートトゥデイはアパレル流通の中枢に座る可能性も秘めている。
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(丸山尚文 =週刊東洋経済2011年2月19日号)
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