リアルな強さで独り勝ち、アパレルネット通販・ゾゾタウンが挑む新ステージ
ゾゾが扱うブランドはファッション性が高いものが多く、ネット通販に関してもブランドイメージを崩さないサイト作りにこだわる。
そのために、ゾゾでは当初からCGを多用し、実際の店舗をイメージしたデザイン性の高いサイトを制作、またプロのモデルを使った商品写真の撮影など、ブランドの要求に応えたサイト作りを追求していた。
05年にゾゾに出店し、現在でも主要店舗となっているユナイテッドアローズ(UA)。UAでネット通販事業を担当する相川慎太郎・EC統括チームリーダーは「リアル店舗を再現するなど、ブランドに対する感度がネット通販サイトの中で特に高い。商品写真の質なども含め、ブランドのイメージを維持できる」とゾゾを選ぶ理由を説明する。
UAのような人気ブランドの獲得に成功したことでアパレル業界での認知度を上げ、今やターゲットとする市場では、ほぼすべてのブランドを扱っているといえる水準にまで達している。
ネット上に店舗のCGイメージを再現し、ネット通販の弱みをカバーしてきたゾゾだが、昨年11月、そのサイトデザインを一新した。
CGを大幅に減らしたほか、店舗ごとに設けていたトップページを廃止、それぞれのブランドを想起させるためのコンテンツを大幅に縮小したのだ。対照的に、利用者のツイッターのつぶやきをトップページに掲載するなど、ユーザー発のコンテンツを前面に押し出している。
ウェブサイトでは、“ユーザーインターフェースの大幅刷新はご法度”が常識だが、あえて踏み切ったのは、ゾゾの認知が進み、実際の店舗のブランドイメージに頼る必要がなくなったことに加え、商品中心のサイト構成にして導線をシンプルにしたほうが、購買までの過程での離脱を減らせるからだ。