DMG森精機が「日独統合」を早めた理由 世界ナンバーワンの工作機械メーカーに

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日本国際工作機械見本市(JIMTO2014)の森精機のブース

同時に外部環境が変わったことも大きい。日銀の大規模な量的・質的金融緩和によって、超低利での資金調達が可能となり、銀行の融資意欲も変わってきた。10月ころから検討をしていたといい、熟慮に熟慮を重ねた結果、「ベストなタイミング」(森社長)と判断したという。

買収費用もキャッシュフローの状況から5年程度で回収は可能と踏む。なお、AG社がDMG森精機の株を公開買い付けするという方法も選択肢にはあったというが、AG社の持つ9.6%の保有比率から子会社化する水準に引き上げるよりは現実的との判断だ。

世界一の規模、シナジーにも期待

公開買い付けは2月11日から3月11日までの4週間、上位株主には金融機関等が多いため「保有比率50%を超えるのは確実」と見られている。会社側としてはドイツの法律上、株主の影響度が高まる「75%」以上を獲得したい構えだ。

一方、ガバナンスについても「両者間での(意思決定の)取り決めは厳密に決められている、AG社の自由度は確保する」(森社長)と明言。さらに「保有比率が100%となれば取締役の数は(DMG森精機とAG社と)半々にしたい」と、対等の経営統合を目指す姿勢を鮮明にした。

公開買い付けが成功し、経営統合が進めば、連結売上高にして約4300億円規模の世界ナンバーワン企業となる。会社側も販売や開発、サービスの面での強化が図られるとし、さらにスケールメリットによって、大手自動車メーカーなどが実施する工作機械の世界同時導入などに対応できると説明する。

同席したAG社のルーディガー・カピッツァCEO(最高経営責任者)も「一体化によってわれわれの仕事も守られるし、発展していくためにもこれしかない」と統合の意義を力説した。

2019年度までに売上高5300億円、営業利益700億円まで収益を拡大したいとしているDMG森精機。その統合効果が目に見える形で出てくる時期も、早いかもしれない。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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