名鉄が再開発、「ジャズ」でどうする家康のまち 東岡崎駅の南北に2つのビル建設し街を活性化

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東岡崎駅の再開発コンセプトは「SWING HIGAOKA(スイング・ヒガオカ)」である。

東岡崎駅北口の再開発イメージ(画像:名古屋鉄道)

スイングとは音楽用語。ジャズなどの音楽で用いられるリズムの1つで躍動的なリズム感を表す。ジャズを演奏する女子高校生をテーマにした映画『スウィングガールズ』が大ヒットしたこともあり、スイングからジャズを連想しても違和感はないだろう。名鉄の髙﨑裕樹社長は記者会見の席上で、「ジャズの躍動感を感じることができる施設を街とともに造っていきたい」と意気込みを述べた。

ジャズがコンセプトだという髙﨑社長の説明に地元記者の多くが「さも当然」という様子だったが、全国的には岡崎と聞いてまず思いつくのは徳川家康のはずだ。なぜ東岡崎駅の再開発コンセプトがジャズなのだろうか。岡崎とジャズのつながりを知るために岡崎市を訪れてみた。

岡崎といえば家康のイメージだが…

東岡崎駅は名鉄名古屋駅から特急でおよそ30分の位置にある。岡崎城の城跡を利用して造られた岡崎公園は東岡崎駅から徒歩15分の距離にあり、観光にも便利な駅だ。

家康は1543年1月31日(旧暦天文11年12月26日)に岡崎城内で産声を上げた。日本100名城の1つに数えられる岡崎城の天守閣が復元されているほか、家康の産湯を汲んだと伝えられる井戸も残されている。2023年のNHK大河ドラマが家康の生涯を描く「どうする家康」に決まったことを受け、市は「どうする家康」活用推進本部を2021年5月に設置した。市長自ら本部長に就き、大河ドラマを活用した地域経済の活性化や観光振興に取り組む。

東岡崎駅の南口ではすでに再開発に向けた解体工事が始まっている(記者撮影)

駅の東口からはペデストリアンデッキが延び、来年の大河ドラマの主人公が家康であることを告知する多数の垂れ幕がぶら下がっている。そのまま歩いていくと巨大な家康の騎馬像が観光客を出迎える。

家康一色ではない。岡崎がジャズに力を入れていることがわかる取り組みも見える。東岡崎駅北口の地下通路には「Jazz(ジャズ)の街 岡崎」というポスターが貼られ、ジャズ音楽がBGMとして流れていた。さらに、駅とペデストリアンデッキで直結し、2019年11月にフルオープンした複合施設の名称が「OTO RIVERSIDE TERRACE(オト リバーサイドテラス)」である。オトとは施設の目の前を流れる乙川の「乙(オト)」とジャズに由来する「音(オト)」をかけたものだ。

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