あなたにも出来る!社労士合格体験記(第23回)--問題的中の前半から一転、慢心に足をすくわれる
「国民医療費が国民所得の約8%を占めるに至っている(最新の2008年度の数字は9.9%)」と「国民医療費の3分の1を占める老人医療費の伸びが著しいものとなっている(その後、後期高齢者制度の導入により老人医療費の対象年齢が70歳から75歳に引き上げられ、最新2009年度の見込み数字も約3分の1)」という論点です。
ところが、この2つの数字は私が直前に見た、受験予備校の予想問題にそっくりそのまま書いてありました。おかげで、この科目は満点がとれました。
油断大敵、慢心からの教訓
しかし、「労務管理その他の労働に関する一般常識」では、まったく正反対のことが起こってしまいました。出題は女性労働白書「女性の労働力率」からで、日本女性の年齢階級別労働力率の特徴は「M字型カーブ」を描くという、社労士試験おなじみの論点でした。魔が差したのは1回目の見直しのときです。
M字型カーブは、従来から日本では結婚・出産・育児を理由に退職する女性が多いことに起因します。問題では「平成16年の我が国の女性の労働力率を、年齢階級別に描いてみると。20~29歳層と○~○歳層が左右のピークとなり、30~34歳がボトムとなっている」と抜かれていました。論理的に考えれば、女性は子育てが一段落した後に労働市場に戻ってくるわけですから、「45~49歳」という正解肢を最初は素直に選びました(なお、現在はM字型のボトムは35~39歳になっており、底の値も上昇傾向にあることも押さえておいてください)。
ところが、見直しのときに邪念が入り、迷ってしまいました。最初考えた論理を忘れて、「自分の周りに40歳代後半の女性労働者ってそんなに多かったっけ?」という漠然とした疑問に急に引きずられたのです。そして、そこを「40~44歳」という選択肢に書き換えてしまいました。後から振り返れば単なる慢心です。全体的に意外と易しかったのと、問題が的中したことに浮かれて、足元をすくわれたと言わざるをえません。