DeNA、「ベンチャー2社同時買収」の果実 新たなキュレーションプラットフォームを開始
――新サービス立ち上げの経緯は?
牛尾:キュレーションプラットフォームの構想は、イエモの「住」とペロリの「衣」以外で展開することが買収前から決まっていた。チームが動き出したのは10月1日だが、その前からエンジンを暖めてきた。ペロリはサービスの開発部分を担当し、イエモがコンテンツ作りにかかわった。村田さんにもかなり時間を割いてもらった。
村田:サービス開始から1カ月が過ぎ、順調に進んでいる。運営はディー・エヌ・エーだが、イエモの編集メンバーの中でカフィに100%専念している人もいる。すでに新しいサービスの開発も検討しており、衣食住で完結せず、ビジネスチャンスがある限り、模索しながらどんどん展開していきたい。
――食分野のサービスという意味では、カフィーの競合はクックパッドですか。
村田:厳密には違う。クックパッドのようにデータベースから検索するのではなく、暇な時に好きなジャンルの読み物をスマートフォンで見るスタイル。MERYとイエモも同じ構想からできた媒体で、今のところ完全に競合するライバルはない。
スマホアプリを立ち上げるのではなく、すきま時間に何となく好きなジャンルのコンテンツを拾い読みすることがあってもいいのではないかと考えている。カフェで雑誌をぱらぱらめくりながら、空いた時間を潰すのイメージに近い。
時間を買い、チームを手に入れた
――ディー・エヌ・エーでも複数事業を手掛けている。自前でサービスを開発する選択肢もあったのでは。
牛尾:確かに複数の新規事業を立ち上げているが、キュレーションプラットフォーム事業の経験者はいない。イエモとペロリは住宅と衣服分野で圧倒的なプレゼンスがあり、それを裏で支えるノウハウはディー・エヌ・エーの社内にないものだと思っている。こうした事業はやってわかることがあるし、逆にやってみないとわからないことが多い。時間を買うだけでなく、イエモとペロリのチームを買収で手に入れたという考え方になる。
――イエモとペロリの同時買収に至った経緯は?
村田:最初はイエモに買収の話があり、住宅以外のジャンルに横展開できるかを聞かれ、「女性向けファッションは絶対にできない」と答えた。なぜならMERYが強すぎて、今から追いかけるのは辛いから。もし可能ならMERYと同時に買収していただくと相乗効果がでていいと思いますと話した。そうしたら(ディー・エヌ・エー社長の)守安さんの方で、そうしたジャッジをしていただいた。
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