中国BEV市場で「ホンダが大苦戦」する3つの理由 「シェア1.5%」から飛躍するために何が必要か
このように低価格車と高価格車では、BEVの人気は確実に高まっている。しかし、ボリュームゾーン(大衆車)である中間価格帯車は、ガソリン車市場の半分を占めているものの、BEV市場では2割のシェアに過ぎない。
高級車と低価格車の二極化が進む中国BEVEV市場では、ホンダを含む大手自動車メーカーが参入した中間価格帯BEVは、もっとも攻略の難しいマーケットとして残されてきたのだ。
スマート化で新たな価値を生み出せるか?
3つ目は、自動運転機能を備える「スマートカー」の開発を加速することだ。中国政府は、2020年に「スマートカーイノベーション戦略」を発表し、2035年には世界市場を牽引する「スマートカー強国」になる目標を掲げており、官民挙げてコネクテッド・自動運転車両の普及を推進している。
中国の新車販売に占めるレベル2(一定の条件下で部分的操作の自動化)車両の割合は、2020年に15%、2022年1Qには23%に達した。2025年にはレベル2とレベル3車両の割合は50%になり、レベル4(高度運転自動化)車両も投入し始めると見込まれている(中国自動車工業協会)。
また、検索エンジン最大手の「バイドゥ」が、中国の複数都市で無人タクシー(安全監視員同乗)をテスト運用し始め、ドイツのBMW、メルセデス・ベンツ、アウディの3社と、アメリカのGM(ゼネラル・モーターズ)、そして日本のトヨタ自動車も試験車両用ナンバープレートを取得し、中国自動運転市場への早期参入を目指し始めた。
ルノー・日産・三菱アライアンスは、2018年に自動運転技術開発会社の「文遠知行(WeRide)」に出資し、トヨタは2019年に同「Pony.ai」に約4億ドルを出資した。中国の自動運転開発企業と提携することにより、自社ブランド車両をベースに自動運転車両の走行実験を行っているのだ。
こうした動きを見れば、ホンダが自動運転を実現するためには、地図データやAIなど、業種をまたいだ連携を推進する必要があり、すでに提携した「センスタイム」や「ニューソフトリーチ」「アリババ」を含む中国のテック企業といかに協業を強化するか、ホンダのスマートカー開発力が問われている。
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