権勢誇った「二階氏」が今、窮地に直面している訳 派閥から退会者続出、選挙区の継承にも暗雲
こうした二階氏の苦境に追い打ちをかけたのが地元・和歌山での「IR否決」だった。和歌山県議会は4月20日の本会議で、県が誘致を進めてきたカジノを含む統合型リゾート(IR)について、区域整備計画の認定を国に申請する議案を反対多数で否決した。
「資金計画が不透明」などが理由で、県は国が求める同28日までの整備計画提出を断念、IR誘致計画は事実上、頓挫した。
県は和歌山市の人工島「マリーナシティ」へのIR誘致を計画。約4700億円を投資し、2027年秋ごろの開業を目指していた。本会議での採決は無記名投票で行われ、最大会派の自民党からも多くが反対に回ったとされる。
「二階氏の威光が薄れた証拠」
IRについては岸田政権も推進の立場だ。しかも、和歌山のドンと呼ばれる二階氏は、かねてからIR誘致を地元繁栄のための看板政策と位置付けていた。にもかかわらず、二階氏の影響が強いはずの県議会が反対を決めたことは、「地元でも二階氏の威光が薄れた証拠」(県会自民党)と受け止められている。
こうして永田町と地元の双方で「落ち目」が際立つ二階氏。「本人はなお権勢維持への執念が強い」(周辺)とされるが、岸田首相が参院選を自民勝利で乗り切って長期安定政権を実現すれば、「さしもの二階氏も命脈が尽きる」(自民長老)との見方が強まっている。
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