限界?再起は?「小泉父子」存在感が急低下する訳 純一郎氏は一線から退き、進次郎氏は再び下積み

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このため、国民的人気とは裏腹に、党内には「口先だけで何もできない」との陰口が公然化。目玉人事とはやし立てられた環境相就任で失地回復を狙ったが、「閣僚としての不安定な言動」ばかりがクローズアップされ、「スターの座から滑り落ちる結果」となったのが実態だ。

もちろん、初入閣の際は、男性として戦後最年少(38歳)記録を更新、2020年9月発足の菅義偉内閣で再任されると、首相経験者の子女では唯一の閣僚と騒がれたことは事実。2021年9月の総裁選では河野太郎氏を支持し、石破氏とも連携することで「小石河(こいしかわ)連合」として話題を振りまいた。

しかし、人気より組織固めに勝負をかけた岸田氏が勝ち名乗りを上げ、進次郎氏は「完敗に近い。負けは負けです。ルールの中でやって負けたんです」と想定外の党内の反応に肩を落とした。

進次郎氏は、総裁選を受けた2021年10月総選挙で5選を果たし、再浮上を目指す。しかし、雑誌や週刊誌の「近未来の総理総裁候補」企画では名前が消え、総務会長代理として「一から出直し」(周辺)となり、自民党神奈川県連会長就任などで「党務に専念」(同)する日々が続く。

父のように「反骨無頼の政治家」で再起できるか

その進次郎氏がここにきて、党内「反岸田」グループの旗頭とされる菅前首相と接近して話題になった。4月20日には、菅氏が参院選前の発足を狙う勉強会で「一緒に汗をかいていきたい」と参加の意欲を示したからだ。

進次郎氏の後見人を自任する菅氏にとって、「進次郎氏の勉強会参加は格好のアピール材料」(側近)ではある。

ただ、野党陣営の四分五裂で参院選が自民勝利となれば、岸田政権は次期衆院選まで「黄金の3年」を手中にし、反岸田勢力は「ますます冷や飯組となる」(自民幹部)のは避けられない。

「思い込んだら命がけ」で政界を駆け抜けた純一郎氏のように、進次郎氏が今後、「反骨無頼の政治家」(菅氏周辺)として再起を目指すのかどうか。「本質的には父親とは真逆の優等生だけに、そこから脱皮できなければ、未来への期待もしぼむ」(自民長老)との冷たい声も少なくない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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