3800人看取ったホスピス医が説く「生きるヒント」 「人生は自分をわかってくれる人を探す旅だ」

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人は「自分の気持ちをわかってくれている」と思える誰かを求めているといいます(写真:mits/PIXTA)
仕事も友人や家族との人間関係もうまくいかない、つらいことがあり苦しいという人ほど「自分をわかってくれる誰か」の存在が救いになるとホスピス医の小澤竹俊さんは言います。
どんな状況でも前向きに自分らしく生きるためのヒントを、小澤さんの著書『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』より一部抜粋、再編集してご紹介します。

人は「自分をわかってくれる」誰かが必要

苦しみや痛みを抱え、弱い状態にある人はみな、「自分の気持ちをわかってくれている」と思える誰かを求めています。

もちろん、相手が100%、自分の気持ちをわかってくれているかどうかは、誰にもわかりません。

ただ、「誰かにわかってもらえた」と感じることで、多くの人は苦しみの中でも穏やかさを取り戻し、前向きに生きるきっかけをつかむことができます。

以前、実家の家族とも、妻や子どもともうまくいかず、仕事もなかなか長続きせず、古いアパートで1人で年金を頼りに暮らし、70歳をすぎてから末期がんと診断された患者さんと関わったことがあります。

最初に訪問に伺ったとき、その患者さんは「自分の人生を早く終わらせたい」「早く楽になれる薬はないのか」など、一方的にご自分の苦しみを訴えるばかりでした。

そのような人に、「そんなことを言わないでください」「あなたの気持ちはとてもよくわかります」「生きていればいいことがあります」といった言葉はまったく響きません。

それどころか「健康なお前に、俺の気持ちがわかるか」「他人事だと思って、適当なことを言うな」と、心を閉ざされてしまうでしょう。

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