ランドセル選び「GWがピーク」親もヘトヘトの実態 年々早まり「年中さん」から検討する人もいる
「コロナ前は『都内のあちこちの専門店を回って、最後に新宿に来ました』という人が多かった。子連れで何軒もハシゴをするのは、あまりに負担が大きい。ネット上にはまとめサイトなどの情報があふれ、何を信じていいかわからない状況だった。そこで、一括でランドセルも検索でき、選び方など基礎知識を網羅した特集記事も読めるプラットフォームのようなサイトがあれば」(森田さん)と、三越伊勢丹ではECページを拡充させてきた。
折しもコロナ禍に合致し、単なるECページではなく、網羅的に見られるカタログとして、店頭に来る前にある程度絞り込んでくるためのツールとして機能している。
4月中の問い合わせで最も多いのは、イベントにはどのメーカーのどの商品が並ぶかということ。
「メーカーと商品名を名指しでそれが出展されるかどうかの質問がほとんど。ECサイトを見て事前に購入する商品を絞り込んでいて、1回現物を見たいという需要が高い。老舗ランドセルメーカーと有名ブランドのコラボ商品や限定商品はGW前に売り切れるものもあるが、GWだとほとんどの商品はまだ十分にある」(森田さん)
9年前は11月がピークだった
自身の息子のラン活のときに、ランドセルを調べては毎週末見にいく仕組みに不便さを感じ、「1回で一気に見ることができればいいのに」と、日本全国で「合同ランドセル展示会」を開催している安田裕樹さんは、最近のラン活に疑問を感じている1人だ。
展示会を立ち上げた9年前のランドセル販売のピークは11月。ピーク前にやらないと意味がないと思い、夏に開催していたが、それが5〜6月に早まり、今年は初めて4月にスタートした。
メーカーによってはそれよりも早い12月や1月に販売を開始するところもあり、安田さんの元に届く問い合わせの9割が「合同展示会が5月だと、1月に見にいったランドセルが売り切れてしまうかもしれない。どうすればよいか?」という相談だという。
9年前から始めた展示会も、昨年10都市で約7600組を集客し、今年は14都市で開催するまでになったが、「子どもの数は年々減少している。来年度の新1年生は100万人弱とすでにパイは決まっているため、これ以上販売することはできない。青田買いをしたいメーカー側の思惑もあり、ラン活の前倒しになっている。さらにランドセルも値上がり傾向にある」と近年の傾向を分析する。
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