「ストレスだらけの親」が子に対し有害になる理屈 子どもへの高すぎる期待が引き起こす問題行動

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親からのこのような要求は、子どもにもストレスを与えます。その結果、子どもが問題行動を起こすようになってしまうのです。泣いたり、叫んだり、喧嘩をしたり、望ましくない行動をとるようになります。何かを忘れてしまったり、すっかり無口になってしまったり、ストレス下での第3の反応である「フリーズ(凍結)」モードに入ることもあります。

私たち親は、慢性的なストレスのせいで自分の脳だけでなく、まだ小さい子どもたちの脳にも影響を与えてしまうのです。

ストレスシステムは、人生の早期の段階で形成され、それが後々の人生でのストレスに対する反応を決定づけます。

ストレスシステムは親→子に遺伝する

ストレスシステムは遺伝現象とも関連があります。マウスを用いた実験で、ストレス耐性が親から子へ引き継がれることが示されています。母ネズミが過剰なストレスを受けると、大きなストレスを経験したことのないはずの子ネズミが、刺激に対して強く反応するようになります。

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私たち人間でも同じで、両親や祖父母が極度のストレス(戦争、飢餓、迫害、国外逃亡など)にさらされていた場合、私たち自身もストレス刺激に対して強い反応を示す可能性があります。

良くないとはわかっていても、自分ではどうしようもなく「爆発」してしまうことは誰にでもあるものです。ところで、なぜ沸点に達しやすい親と、そうではない親がいるのか、考えたことはありますか。

もちろん、生活環境、抱えている負担、子どもの気質など、さまざまな要因が絡みあっています。しかし、学術研究によると、全人口の約30%の人は、きわめて困難な状況下でも自分や子どもにダメージを与えるようなストレス反応を示さないというのです。

では、次回からストレス反応を示さないための具体的な方法や子どもとの接し方をお届けしていきましょう。

ニコラ・シュミット 科学ジャーナリスト、メンタルヘルスの専門家

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にこら・しゅみっと / Nicola Schmidt

科学ジャーナリストおよびメンタルヘルスの専門家。幼児教育に関する記事を紙媒体・オンラインメディアに多数執筆するほか、2008年より子育てに関するブログを運営。2010年からは子育て中の親を対象にしたコーチングやコーチ養成コースを提供。年に1度、「ホモ・サピエンス」に適した生活と子育てを体験できる「自然キャンプ」も開催。ドイツ・ケルンとボンのあいだの森のそばに、家族と暮らす。

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