「圧倒的成功する創業者は技術者」という説の真実 非技術者だからといってうまくいかない訳でない
成功するチャンスを最大限に高めるには、技術者と実務家が組むのがいいと直感的に思うかもしれない。ビジョンを持つ実務家だったジョブズには、コンピュータをつくれるウォズニアックが必要だった。
しかしデータが示す物語は違っていた。創業者CEOが技術者でないとき、ナンバーツーも技術者でない確率のほうが高いのだ。技術者は他の技術者と付き合ったり仕事をしたりすることが多く、その縁で一緒に会社をつくり、実務家も同じタイプの友人と会社をつくることが多いためと思われる。いずれにしても、創業者が技術者でも違っていても、10億ドル達成企業になる可能性はほぼ同じである。
技術者チームも非技術者チームもそれぞれ成功
技術者2人、あるいは非技術者2人で開始して、成功するスタートアップもある。リフト(Lyft[ピボットする前はジムライドZimrideという名だった])の創業者2人は技術者ではない。CEOのローガン・グリーンはカリフォルニア大学サンタバーバラ校を卒業後(学位は経営学)間もなく、会社を設立した。共同創業者のジョン・ジマーはコーネル大学でホテル経営学の学士号を取得していた。
2人ともライドシェアリングに将来性を見出していた。グリーンはコードを学んでいて、試作品レベルのものはつくれたが、ビジネスに必要な複雑なバックエンド・システムを開発するにはエンジニアを集めなければならなかった。
一方、暗号通貨取引のコインベース(Coinbase)は、技術者2人が始めた。ブライアン・アームストロングとフレッド・エアサムはどちらも大学でコンピュータ・サイエンスと経済学を学んだ。アームストロングは大学院へ進んでコンピュータ・サイエンスの修士号を取得している。コインベースを設立する以前、アームストロングはエアビーアンドビーでソフトウェア・エンジニアとして、エアサムはゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)でトレーダーとして働いていた。
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