「貯金も保険も一石二鳥」の変額保険はお得なのか 結局「虻蜂取らず」の残念な結果になりかねない
戸田さんは、アメリカの株式と日本の株式をそれぞれ50%ずつで運用していました。契約したのは2005年、保険料は月額約3万1000円です。保険証券には20年後の2025年の解約返戻金は、約690万円と記されています。死亡したときには、1500万円が支払われます。
私は、以下のシミュレーション結果を戸田さんに見せました。
このシミュレーションは、契約をした期間は同じ2005年として、2022年2月末までで、毎月3万円ずつ、アメリカの株式と日本の株式の指数連動型の商品に、それぞれ50%ずつ積み立て投資をした結果です。
「2005年から月3万円」で618万円が1776万円に
累計投資額(配当再投資分は除く)は618万円。2022年2月末の時価総額は約1776万円となりました。内部収益率法で計算した年率の利回りは10.96%です。
ここで使っている指数は、TOPIX(東証株価指数)と、アメリカの指数(S&P500にほぼ連動するMoringstarUS Large Cap)です。
実際は株価指数に直接投資することはできませんし、税金、手数料なども考慮していません。あくまで一定の想定のうえでのシミュレーションであり、類似した投資信託で運用すれば年平均10%までは届かないかもしれません。
しかし、時間を味方につけて複利効果で資産を増やしていけば、ご覧のとおりかなりの成功と言ってよいと思います。
つまり、私がお伝えしたいのは、お金を増やす目的なら、「お金の置き場所は非常に大切です」ということです。
保険会社は、変額保険の保険料のうち、諸費用を控除した金額を特別勘定で契約者が選定した投資対象に投資して運用を行います。保障と運用の両方にコストがかかるため、このように、どうしてもお金の増え方に差がついてしまうのです。
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