黒田日銀総裁の後任は現副総裁と前副総裁が有力 リフレ派一辺倒からバランス型にシフトか

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来年4月に任期満了を迎える日本銀行の黒田東彦総裁の後任は、雨宮正佳副総裁と中曽宏大和総研理事長(前副総裁)がエコノミストの間で有力候補とみられている。

ブルームバーグが14-19日に実施したエコノミスト調査で次期総裁の有力候補を3人挙げてもらったところ、30人からの回答は雨宮氏が29人、中曽氏が28人と拮抗(きっこう)した。浅川雅嗣アジア開発銀行総裁(元財務官)が9人で続いた。

黒田総裁は2013年の就任以降、2%の物価安定目標の実現を目指し、大規模な国債買い入れやマイナス金利、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策など異例の金融緩和を続けてきた。日銀出身の雨宮氏と中曽氏が有力視されるのは、次期総裁が金融政策の正常化を含めて実務的にも難しい対応を迫られるとの見方が背景にある。

安倍元首相とは一線を画す岸田日銀人事

岸田文雄首相は今夏の参院選後、来年3月に任期満了となる雨宮副総裁と若田部昌澄副総裁の後任を含む新たな日銀首脳陣の人選に入り、来年初めに国会に提示する見通しだ。岸田首相は先月、次期総裁は2%の物価安定目標に「理解のある方が望ましい」との見解を示した。「その時点で日銀総裁に最もふさわしいと判断する方を任命することが基本」とも述べた。

岸田政権は初の日銀政策委員会人事で、7月に任期満了となる片岡剛士審議委員の後任に、岡三証券グローバル・リサーチ・センターの高田創理事長を充てた。積極的な金融緩和でデフレ脱却を目指す片岡氏と同じリフレ派は起用せず、アベノミクスで大胆な金融政策を掲げてリフレ派を次々と日銀に送り込んだ安倍晋三元首相とは一線を画した。

三井住友信託銀行の岩橋淳樹シニアエコノミストは「岸田政権では日銀人事に対するスタンスが、リフレ派一辺倒からバランスを取る方向にシフトしている可能性があり注視している」との見方を示す。

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