吉野家の常務解任騒動「プロ経営者」3つのリスク コンプライアンス教育も大事だがここも外せない

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まず「商品の強みについてのリスペクト(尊敬)がない」ですが、これは今回の吉野家の問題発生直後から私が抱いた違和感でもありました。各社の報道等を総合すると、例の「戦略」の中身として若い女性をターゲットにしたマーケティングを導入する理由を「高い料理をご馳走してもらうようになった後では牛丼のファンにするのは難しい」からだと伊東氏は説明されていたそうです。吉野家ファンである私には高い料理を食べるようになった後だと吉野家の牛丼のおいしさが伝わらないという理屈がわからない。

マーケティングのプロである以上、吉野家の牛丼のブランドコンセプトが「うまい、やすい、はやい」であることは十分に承知されているはずです。ところがご本人は「やすい」は強みだが「うまい」という強みはないと発言されている。これは内部で育った経営陣であれば、すぐに気づくであろう違和感です。

2番目の「社員力の把握が弱い」という点は今回の吉野家のケースについて当てはまるかどうかまではよくわかりませんが、一般的に、危険なプロ経営者の場合は会社の人財というリソースの把握が不十分なことが多いです。これは部外者が短期間に人心を掌握するという必要上、仕方のないことでもありますが、自分の味方になりそうな人材を見極めて周囲を固めて、潜在的な抵抗勢力とどう戦うのか早期に構えなければならないからです。

古参社員を頼れるかどうか

ただこれは断言できるのですが、外資系企業で欧米流のプロ経営手法を学んできた経営者のいちばんの弱点が、日本企業の持つ人財の把握と掌握・活用が不得手という点です。吉野家のように少なからずの社員がバイトから入って吉野家を好きになり、その中から幹部や役員が生まれるという企業にとっては、人間の力こそが会社の最大の強みであり財産です。この点に詳しくないという弱点をカバーするために古参社員を頼ることができるかどうかでプロ経営者としての差が生まれます。

「いや、それだったら最初から頭を下げて現場の力に頼ればいいじゃないか」

と思うかもしれませんが、プロ経営者にはなかなかそれが簡単ではない別の事情がある。それが3番目の問題と関係します。

外部から招聘される中で、危険なプロ経営者の3番目の問題は「マウントの手段として会社の文化を壊す」という傾向です。

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