吉野家の常務解任騒動「プロ経営者」3つのリスク コンプライアンス教育も大事だがここも外せない
プロ経営者というものは日本人から見ると魅力的な人物です。伊東氏の場合、華々しい実績がありました。同時に非常に科学的・論理的にマーケティング戦略を構築する手腕をお持ちです。
こういったプロ経営者は人材としては希少で、それを欲しいと考える日本人経営者は少なくありません。結果としてヘッドハンティングの市場での価値は上がり、高額の報酬と高いポジションを提示されて大企業の経営陣に収まることになります。
もちろん結果も出すプロ経営者はたくさんいらっしゃいます。私が尊敬する経営者の名前を挙げれば、日本航空を再建した稲盛和夫氏や、現サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏はトップランクのプロ経営者です。一方でこれは強い私見と申し上げておきますが、東芝は外部から招聘したプロ経営者によってボロボロにされてしまった典型例です。問題は招へいの段階ではそのどちらに転がるのか、招へいした側がそのリスクを評価できないことです。
何しろプロ経営者は既存の経営陣から見れば魔法のような新しい経営手法を引っ提げて登場します。表現に気をつけて発言させていただくと「経営陣は新経営手法の中毒にする戦略」に巻き込まれてしまって、危険かもしれないその人物をあたかも救世主のように感じてしまう錯覚が起きるのです。
危険なプロ経営者を見抜く3つのポイント
では危険なプロ経営者と、信頼して託せるプロ経営者はどう見分ければよいのでしょうか?
私の経験からは危険なプロ経営者には3つの見分けられる悪い兆候が見られます。
それは、
2. 社員力の把握が弱い
3. マウントの手段として会社の文化を壊す
の3点です。順番に説明していきましょう。
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