売れそうにない南国で、「かつら」に熱視線 日本人スタイリストが、イメージを変えた!

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一方、アートネイチャーはさたに新市場を創造していこうとしている。

現在、アジアの女性向けウィッグ市場は大まかにいうと3つに大別されるという。

①いわゆる「髪の毛の悩み」市場。これはシニア層のアンチエイジング需要や医療向け需要が主体だ。異なるニーズに、最も高品質な「オーダーメイド」製品で応える。次は、②「おしゃれ」市場。消費者のライフスタイルに合った楽しみ方、異なった使用シーンで自由に気軽におしゃれを楽しみたいという需要だ。オーダーメイド製品に近い品質で、通気性が高く風合いも自然な「レディーメイド(既製品)」で消費者のニーズを創造している。そして、③ 主に若年層向けの「コスプレ」市場。安価なローカル製品が出回っているが、同社はあえて注力していない。

同社は、このうち、①と②の市場のみならず、消費者への訴求、提案次第で、それぞれの間に新たな需要を創造できると見ている。

日本の技術を活かし、アジアならではのヘアケア文化を

例えば、幅広いエイジング需要に対応するために、既製品をベースに毛量の追加やメッシュを入れたりする。つまり、消費者の細かい要望に応じつつ、予算内で対応する「半オーダーメイド」製品として提供サービスを拡充するものだ。消費者の満足を高める為に、キメ細かな物作りがそれを実現する。

また、今後アジアならではのヘアスタイルのウィッグも生まれてくるはず。さらに、同社がこれまで創業以来49年培ってきた日本のヘアケアソリューション技術やサービスは、今後、女性だけでなく、当然のことながら男性向けにも提供されていくはずだ。

「東南アジア市場に参入するタイミングは今がベスト」と田井社長

さらに、ヘアスタイルの幅を広げ、おしゃれをもっと気軽に楽しみたい女性向けの「ファッション」市場。現味はあえて注力していないが、既存の安価で低品質なコスプレグッズとは一線を画す高品質の製品を提供する。

例えばパーティー、旅行など、いつもとは違うヘアスタイルを楽しみたい、しかもヘアサロンに行く時間的な余裕がないといった女性に提供する。同社は、女性に対して、洋服を着替えるように、自然に気軽にウィッグを利用して、より自分らしく輝きのあるライフスタイルを提供することをコンセプトに、新しいビジネスチャンスの拡大を図る。

なんといっても、ASEAN諸国の経済発展、中間所得者/富裕層の拡大は、同社にとっては追い風だ。「事業規模の拡大を通じて、会社が掲げる『Your Best Smile is what we want(増やしたいのは笑顔です)』を基本に、お客様に感動と満足を提供できる企業に成長して行きたい」と田井社長。同社がこれからどんな市場へ展開して行くのか、そしてどんな需要を創造して行くのか、今後に期待したい。

岡 徳之 ライター Noriyuki Oka Tokyo 代表取締役

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おか のりゆき

1986 年長崎県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、PR 会社ビルコムで2 年4 ヶ月勤務。2011 年8 月に企業PR・ウェブ企画開発・編集ライティングを専門分野として開業。現在はシンガポールを拠点に事業運営に携わる。国内大手企業のウェブプロモーション業務に従事する傍ら、CNET Japan やITmedia など国内の有力ニュースサイトを中心に10 数媒体で執筆を担当。ライターとしての専門領域はIT・ビジネス・マーケティング・クリエイティブ・ライフ・グルメ・人物インタビューなど多岐に渡る。事業会社が運営する自社メディアでの編集ライティング案件にも携わる。異なる専門領域を持つフリーライターと連係し、編集プロダクション的機能も果たす。

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