50代になったら若い人に積極的に会うべき理由 実は「今、起きている変化」を知るために重要

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私は1966年生まれで、50代も半ばを過ぎた「おじさん」です。放っておけば頭の中はどんどん古臭くなっていってしまうでしょう。

今は令和4年ですが、同世代の「おじさん」や私より年上の「おじいさん」たちの中には、「昭和97年」の世界を生きている人も少なくありません。その世界に引き戻されることなく、令和時代にとどまるために私が意識的に数を増やしているのが、20代前半の若い経営者たちとの面談です。

価値観が古いままでは変化に気づかない

感性や価値観が古いままでは、今起きている変化に気づけず、先を見通すこともできないでしょう。この点、若い人たちには、おじさんやおじいさんには見えていない変化が見えているはずだからです。

例えば、タイミーという会社があります。「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするアプリ「Timee」を展開する会社です。

Timeeが紹介するのは、応募も面接も履歴書も必要なく働ける「スキマバイト」です。「いますぐ人手が必要」という場面で、かつては身内で手伝ってくれる人をかき集めたり、「フロアスタッフ急募!」などの張り紙をしたりするしか方法がなかったわけですが、Timeeはそのようなときに「今すぐ働きたい人が働ける」「今すぐ働いてほしいときに働いてもらえる」仕組みをつくったのです。ワーカー(働き手)としてTimeeを利用する人は200万人を超えるまでに成長しています。

このタイミーを創業した小川嶺さんは、現役の大学生。起業したのは2017年、彼が20歳のときです。最初に小川さんに会って話を聞いたとき、正直に言えば、私は彼に嫉妬しました。

どうして自分がこのビジネスを思いつかなかったのだろうと悔しく思っただけでなく、ビジネスを数字で分析できること、ビジネスモデルやマーケティングに関してもいっぱしの社会人よりずっとよく勉強していること、謙遜と自信のバランスが絶妙なこと、希望に満ちあふれていて人から愛される力があることなど、「すごい」としか言いようがなかったからです。

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小川さんは私にとっては令和時代を象徴する人で、将棋の世界でいえば藤井聡太さん、野球の世界でいえば大谷翔平さんのような「新時代人」の経営者版だと思っています。

タイミーは、2021年には伊藤忠、KDDI、香港を拠点とするヘッジファンドなどから53億円もの資金を調達するなど、多くの投資家がそのポテンシャルの高さを評価しています。

小川さんをはじめ、できるだけ多く「令和型」の若い経営者と会い続けることは、私が「今、起きている変化」を知るための土台になっているのです。

藤野 英人 投資家。レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長CEO&CIO

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ふじの ひでと / Hideto Fujino

1966年富山県生まれ。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年に独立しレオス・キャピタルワークス株式会社を創業。とくに中小企業株および成長株の運用経験が長い。「お金」や「投資」を通して、株式会社や日本社会、世界経済のあるべき姿を模索し続けている。教育にも注力しており、東京理科大学上席特任教示、叡啓大学客員教授、淑徳大学地域創生学部客員教授も務める。著書に『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)ほか多数。

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