狩猟・採集時代からの「脳のクセ」が左右--『ヒトはなぜ拍手をするのか』を書いた小林朋道氏(鳥取環境大学教授)に聞く

狩猟・採集時代からの「脳のクセ」が左右--『ヒトはなぜ拍手をするのか』を書いた小林朋道氏(鳥取環境大学教授)に聞く

「動物を観察する目でヒトを眺めると、普段、意識もしない振る舞いや感情に、人類の進化にかかわる重要な理由があるとわかる」。動物行動学の知見は「現代病」を癒やすアイデアも提供するという。

──ユニークなタイトルですが、ヒトはなぜ拍手するのですか。

できれば肩をたたきたいが、それは離れていてできない。そこで、同じ動作によって「友好的なシグナル」を皆で送る。連帯感を醸し出せるし、その場も盛り上がる。その動作自体が本能に親和的な要素を持っていて、人間の身上に合っている。

──親和的?

本能的に友好的と感じられる要素を拍手は含んでおり、根底には親愛の感情がある。脳にはクセとして高い音程を親愛と感じる回路がある。

人間に限らず、親愛を表すときに鳴き声を含め声の音程が高くなる。赤ん坊をあやすときを思えばわかりやすい。親しい友人と通りすがりにあいさつするときも、自然に声のトーンが高くなっている。他方、批判的なことでは手をたたかず、ブーイングでは足踏みをする。それも攻撃的、威嚇だから音程が下がる。

──動物としての要素が大きいわけですね。

男性は座ったときに脚を開く。また女性はバッグを手に持つより腕からぶら提げようとする。これは男性にはしにくいが、女性は無理なくできる。骨格がそれに向いていて、むしろ消費エネルギーが少なくて済む。腕時計の文字盤を内、外のどちらに向けるかの男女間での違いも同様だ。

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