「第2次大戦並みに激化」ウクライナ戦争の今後 ロシアの攻撃はこれから別次元に突入する

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焦点になっているとみられるのが、東部の都市イジュームの周辺だ。イジュームを先日掌握したロシア軍は、ウクライナ南東部のドンバス地方に展開するほかの部隊の陣地とイジュームをつなげようとしている。黒海に面したクリミア半島とドンバス地方とをつなぐ地上ルートの強化も狙っている。ロシアは2014年にクリミアを侵略し、併合した。

両軍が大規模戦闘に備えていることを示す兆候はほかにもある。マクサー・テクノロジーズが10日に公開したウクライナの新たな衛星画像には、何百というロシア軍の車両が、ハリコフの東、イジュームの北に位置する町を通って南下する様子が映っていた。

「戦車や戦闘車両が何百台と投入される大規模な戦いになるはずだ。極めて残忍なものになるだろう」。ロンドンに拠点を置く国際戦略研究所の研究員フランツ・ステファン・ガディ氏は、「軍事作戦の規模は、この地域がこれまでに経験したのとはまったく違ったものになる」と話した。

ロシアはクリミア併合以降、ドネツクとルハンスクというドンバスの東部2州で親ロシア派分離主義勢力の反乱を支援。同紛争による死者は、過去8年間で1万4000人を超えた。

ロシア軍の苦戦を予想する声も

イギリスの紛争研究調査センターのキア・ジャイルズ氏は、「ロシアは非常に慣れた地域で活動している」と語った。ロシア軍は「ウクライナに対する当初の作戦の失敗から学んでくるはずだ」。

ジャイルズ氏によると、ロシアには、すでに制圧した東部地域で運行されている密度の高い鉄道網を使えるといったメリットもある。

東部ではロシア軍がさまざまな点で有利になるとみられているわけだ。それでも、キーウの北で行われた戦闘よりも効果的に戦えるかは疑わしいとするアナリストもいる。

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