韓国財閥、「円安」「中国減速」で先行きに暗雲 年初のあいさつから危機感をあらわに

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10大グループの代表や最高経営者は、最近の経済状況を次のように見ている。現代自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長は「世界経済は低成長が続き、新興国を中心に政治的不確実性が増している」。

LGグループの具本茂(グ・ボンム)会長は、「為替レートと原油価格が不安定な動きを示しており、これは輸出の割合が高い韓国に相当な難関となっている」と指摘、「後発企業の激しい追い上げや日本と中国の動向などを見ると、数年以内に厳しい状況になることもありうる」と見ている。

円安、原油価格低下もリスクに

SK SUPEX協議会議長の金昌根(キム・チャングン)氏は「今年の国内外の経営環境は不確実性がさらに高まる。新興国の経済リスクの増大や中国経済の成長鈍化、欧州経済のデフレや長期沈滞、原油価格下落の長期化が予想される」と述べた。POSCOの権五俊(クォン・オジュン)会長は「内需の不振と中国の成長鈍化、円安傾向などで韓国経済の突破口を探すのは簡単ではない」と言う。

危機からの突破方法も提示している。鄭会長は820万台の生産・販売目標を掲げ、研究開発への投資と研究人材の確保、グローバル生産・販売体制の効率性を高めることを訴えた。GSグループの許昌秀(ホ・チャンス)会長は「GSの事業構造とポートフォリオをより高度化させ、領域を広げるなど、質的な側面の成長が最も望まれている」と述べた。

今年の新年のあいさつでは、経営の質と収益性を強調する代表・最高経営者も多かった。ロッテグループの辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長は「不確実な国内外の経済状況の中で、単純に売り上げだけを伸ばしたり短期的な収益を負うことは毒になりうる。今年はさらに経営の質を高めることに注力してほしい」と述べている。POSCOの権会長は「核心的なキーワードは財務的成果の創出」と延べ、5つの方向性を示してもいる。

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