シビックe:HEV､新開発2Lエンジンと電動化の行方 電動化100％に向けたホンダの今後を占う1台

シビックe:HEVのサイドシルエット（写真：本田技研工業）

また、シビックe:HEVには、設定した車間を自動で保持しながら前車を追従する「渋滞追従機能付きACC（アダプティブ・クルーズ・コントロール）」を搭載するが、ACC作動もe:HEVの進化した制御により、スムーズな加減速が可能だ。例えば、加速時は、シフトダウンによるエンジン回転数の上昇がないため滑らかな加速となる。また、前車に追いついたときも減速が非常にシームレスだという。

ホンダによると、こうしたe:HEVのシリーズパラレル方式的な特性は、1.5Lエンジンのe:HEV車、例えばフィットやヴェゼルなどにも従来からあったが、シビックe:HEVの2.0L・4気筒と比べると排気量が小さくトルクも少ないことで、ユーザーが体感できるほどの効果はなく、今までアピールしてこなかったという。つまり、新開発エンジンは、e:HEVシステム自体の機能向上に大きく貢献しているということだ。

シビックe:HEVの操作系

シビックe:HEVのエレクトリックギヤセレクター（写真：本田技研工業）

シビックe:HEVのシフト操作は、一般的なAT用レバーではなく、指先でボタンを押すことでD（ドライブ）やP（パーキング）などに切り替える「エレクトリックギヤセレクター」を採用する。ドライブモードには、一般道で快適かつスムーズな走りを実現する「NORMAL（ノーマル）モード」、ワインディングなどで俊敏かつダイレクトな加速が感じられる「SPORT（スポーツ）モード」、高速道路で滑らかな走行クルーズが楽しめる「ECON（イーコン）モード」を用意。さらに、駆動力やステアリングのアシスト量、メーターの設定などをユーザーの好みに選択できる「INDIVIDUAL（インディビジュアル）モード」も用意し、ユーザーの多様な嗜好に対応する。

ほかにもアクセルオフ時の減速感を高める「減速セレクター」も装備。ヴェゼルのe:HEV車などにも採用されているこの機構は、例えばワインディング走行時のコーナー進入時などに、ドライバーの期待に応える減速フィールを味わえることで、自在な車両コントロール感を演出するものだ。

ドライブを楽しむ装備

シビックe:HEVのメーターまわり（写真：本田技研工業）

さらにシビックe:HEVには、ドライビングを楽しみたいユーザーに向けた、さまざまなギミックも用意する。まず、10.2インチ高精細フルカラー液晶パネルを採用したメーターは、右側に速度計、左側にモーター出力やバッテリーへの充電状態などを示す「パワーメーター」を装備する。これは、例えばハイブリッドドライブモード時にフル加速した際、エンジンのタコメーター（回転計）のようにモーター出力を示す光りの針が上昇するような動きをすることが特徴だ。ドライバーは、まるでガソリン車に載っているように、視覚的にも運転を楽しむ感覚を味わえる。