常時スマホ時代に「頭に記憶すべきもの」は何か スマホだけでは成り立たない「記憶術」とは?
まずは、コンピューターで記憶する「メリット」「デメリット」を整理しよう。
「コンピューター」の記憶容量は無限大
コンピューターのメリットは「記憶容量が多い」ことである。当然パソコンやスマホでも容量の制限はある。しかし、クラウドもコンピューターとしてみれば、文章のようなテキストデータだったら、ひとりの人が一生に読める以上の量をほぼ無料で保存しておくことができる。
そして、コンピューターは「決して忘れない」。いつでも保存した情報を取り出すことができる。しかも記憶があやふやになったりせず、いつまでも正確に保存してくれている。
また、「必要な情報を取り出しやすい」。コンピューターの記憶であれば、キーワード検索やタグなどをとっかかりにすれば、確実に必要な情報を取り出すことができる。
「知肉」を育てていくためには、集めた「さまざまな情報や視点」から「さまざまな概念」をつかんでいくことが大切だ。
「概念」というのは、わかりやすくいえば「さまざまな情報や視点」を順にまとめて、ひとつの「物語」や「全体像」にしたものである。
コンピューターの「記憶のデメリット」としては、コンピューターに保存されている情報は、この「概念」になっていないことだ。
たとえば、「『ゾウの全体像』をどう学ぶか」ということを考えてみよう。
ゾウの「足」「鼻」「皮膚」をバラバラに見ているだけではわからないけれど、足や鼻や皮膚など、ゾウの「さまざまな部分をたくさん見ること」で、だんだんとゾウの「全体像」が見えてくる。
ゾウの足や鼻の形状や、皮膚の表面のザラザラなどは、それぞれは「バラバラな情報」でしかない。しかし、その「バラバラな情報」を自分の「頭の中」でまとめていくと、ゾウの全体の姿がひとまとまりとなって理解できてくる。それがゾウという動物の「概念」だ。
だが、コンピューターでは、ゾウの「足」も「鼻」も「皮膚」も、それぞれの情報はたくさんあっても、ただの「情報の寄せ集め」でしかない。それだけではゾウの「全体像」を見ることはできないのだ。
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