「怒りが爆発しそうな人」が真っ先にやるべき行動 元自衛隊「メンタル教官」が解説
ところが、アンガーマネジメントを受ける人の多くは、実際には、怒りのトラブルを強く自覚している人たちです。すでに感情の2段階・3段階にいて、なんらかの対策を切迫して求めていることが多い。こういう人たちにとって、理性で感情をコントールしようとするのは「わかるけれど、そうはできない」方法になるケースが多いのです。
「わかるけれど、そうはできない」は、人の自信を低下させます。「やっぱり自分はダメだ」と自責の念を刺激するので、余計にイライラの感情を敏感にしてしまいます。
「考え方(価値観)を変える」は挫折しやすい
アンガーマネジメントは「自分の受け取り方を変えましょう」ということが基本です。
どうして自分はそれが許せないのか、怒ってしまうのか、自分の考え方や価値観を変えたり、ゆるめたりすることを目指していこうとするものです。
感情を発動する根本の考え方を変えることは、問題発生の基を正すこと。いわば、怒りという敵の「本丸」を攻めるやり方ですから、根源的で一番良い方法に見えますね。
ただし問題は、現実的にそれができるかどうかです。
染み付いた価値観とは、そう簡単にゆるめられるものではありません。例えば「仕事とは一生懸命やるべき」「遅刻は絶対にしてはいけない」「他人には優しくあるべきだ」「人に迷惑をかけてはいけない」など、私たちにはいろいろな考え方(価値観)があります。
それらは、親や祖父母からの教え、自分なりの失敗や成功体験などをベースに、意識的にも無意識的にも身につけてきたもの。いわば「その人そのもの」であり、頭で考えて、そう簡単に変わるものではないのです。
ましてや感情の2段階より上になると、根本的な自分の感じ方や考え方を頭で考えて変えることは、とても難しくなります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら