65歳以降のお金が超心配な人に知ってほしい心得 足りない金額は月いくら? どうやって稼ぐ?
1つ目の「何歳まで働くか」は、言い換えれば、年金以外のフロー収入が何歳まで入ってくるのかということです。これがその他2つのポイントも左右する重要な要素になります。現役の会社員時代にいかに収入が多かった人でも、退職して年金生活者(年金収入のみで生活する人)になれば、収入は低位フラットとなり、ゆとりある生活をしようと思えば、預貯金などの金融資産を取り崩す生活にならざるを得ません。
続いて2つ目のポイントである「何歳から年金を受け取るか」についてですが、1つ目の「何歳まで働くのか」とセットになって決まってくるものです。私自身はできるだけ長く働き、年金受給を繰り下げて年金額を増やすことを推奨しています。年金受給開始の繰り下げについてはよく「どちらが得か」という議論になるのですが、「自分が何歳まで生きるのか」というのが誰にも分からない以上、絶対の正解はありません。
だからこそ年金は保険なのであり、「年金保険」と呼ばれるのです。
今年4月1日より、通常の65歳受給から10年繰り下げて「75歳受給」が可能になりました。これまでは5年繰り下げの70歳受給が限度でしたので、これは大きな改革です。つまり老後マネープランの選択肢も広がったわけです。
75歳まで受給を延ばしても生活に支障がないなら
もし75歳まで受給を延ばしても別の収入があって生活に支障がないという状態を作り出せれば、その後年金生活者になっても不安はほとんどなくなるでしょう。
65歳から受給する場合に比べて金額が184%になり、かつ年金受給開始時点での平均余命も10歳くらいは短くなっているからです。
また、会社員を長くやっていた人は、年金の繰り下げについては基礎年金、厚生年金のそれぞれについて選択が可能です。基礎年金のみ繰り下げ、厚生年金のみ繰り下げ、両方とも繰り下げ、の3つから選べるのです。
私自身はその中でもより長生きする可能性の高い妻の基礎年金を最優先で繰り下げて「理論最高値」を目指すことを推奨しています。基礎年金は40年加入が満額で65歳から月額6万5千円の受給となりますが、これを10年繰り下げて75歳受給にすることで月額12万円の「理論最高値」になります。これに夫が亡くなった際の遺族厚生年金が加わるので、おひとりさまとなってもお金の不安が減るのです。
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