意味あった?東証市場改革「完全骨抜き」の全内幕 1部上場の84%が横滑り、海外マネー流出の危機
そうして批判の集中砲火を浴びている東証が、反転攻勢に向けて実は今ある材料を仕込んでいる。
それは、上場廃止銘柄を売買できる市場の創設だ。中間区分のスタンダード市場で、上場廃止になった銘柄の取引を主に想定している。基準抵触で上場廃止となった際の影響を抑えるため、その受け皿となる市場を設け、株主や投資家を支援するのが狙いだ。
他方で、そうしたある種のセーフティネットが上場企業の甘えを生む恐れもある。今後の具体的な制度設計次第で、そうした批判の音量は変わってきそうだ。
親子上場の実態調査も進める
さらに東証は、年明けから親子上場の実態調査も進めている。親子上場は、上場子会社の少数株主の保護といった難易度の高い課題を抱えている。東証は「20年から研究会で議論してきた問題」と話すが、1年以上のブランクを空けて、なぜ今重い腰を上げたのかは判然としない。
親子上場しているある企業グループの幹部は、「子会社を上場させるときは、東証の上場推進部にかなり背中を押されましたけどね」と話しており、手のひらを返された印象を受けているようだ。
同実態調査は、東証改革が骨抜きになったことへの批判をかわす狙いにも映るが、そうした見方を払拭するような改革案が、今後示されることになるのだろうか。
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