逝去から2年、志村けんの笑いが今こそ必要な訳 重苦しいムードが漂う中で、春らしい笑顔を

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振り返ると志村さんが亡くなったころからの約2年間、コロナ禍や東京オリンピック関連の騒動など、ネガティブなニュースがテレビの多くを占めることが当たり前のようになっていました。また、ゴールデンタイムのバラエティも、生活情報を扱った「ためになる」番組や、ファミリー層向けのクイズ番組が多く、明るさや笑いを前面に押し出したものは限られています。

今年に入ってからもコロナ禍は続き、まん延防止等重点措置が解除されてからも、明るい兆しは見られません。そこにロシアのウクライナ侵攻と地震の頻発が重なったことが、人々の心に影を落とし、テレビから春らしい明るいムードを感じる人は少ないでしょう。

だからこそ「テレビをつけてもコロナやウクライナばかり」という重苦しいイメージを変えるために、「もっと明るい番組や、笑顔を誘うような映像の割合を増やしていこう」というムードが生まれはじめているのです。

わかりやすいタイムリーなところで言うと、報道・情報番組のスポーツコーナーにおける大谷翔平選手と日本ハムファイターズのBIGBOSS(新庄剛志監督)。現在のスポーツコーナーは、大谷選手の動向やBIGBOSSの映像が大半を占め、試合内容や結果が二の次になっています。これは「明るい話題を提供したい」「明るいムードの番組にしたい」という意図によるものでしょう。

それと同じように、土日のゴールデンタイムで笑いを軸に据えた番組制作を進めるフジテレビは、「志村さんやドリフターズのコントは明るさや笑いに直結するもの」とみなし、「春が来た今こそ見てほしいコンテンツ」として放送するのです。

最新「M-1王者」錦鯉との共通点

では、なぜ今、他の芸人ではなく、志村さんやドリフターズの笑いが求められているのでしょうか。

現在のお笑いシーンは、「M-1グランプリ」(朝日放送・テレビ朝日系)、「キングオブコント」(TBS系)、「R-1グランプリ」(カンテレ・フジテレビ系)、「女芸人No.1決定戦THE W」(日本テレビ系)の4大コンテストが定着し、他のバラエティでも作り込んだネタや練られたコメントが採用されやすい傾向があります。

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