「Web3」をわからない人が勘違いする意外な本質 新しい組織の形「DAO」はいったい何が違うのか

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Linuxの初期に関わってお金持ちになった人はいません。でもビットコインやイーサリアムの初期に関わった人は大金持ちになりました。これはスタートアップ企業の株式を持つことに近いのです。

このように、強いビジョンをベースに、賛同する人が集まり、独自のトークンを発行するDAO、これは今後の新しい組織の形になっていくと確信しています。

DAOの本質、インセンティブ革命

しかし、 一方でDAOの理解はまだ進んでいません。みんなで投票する「意思決定の民主化」という概念で捉えている人が実はけっこういるのですが、それは間違いです。DAOの本質は「インセンティブ革命」です。

つまり、プロジェクトに関わったすべての人が金銭的なメリットをもらえるようになっていく。そのインセンティブによって、それぞれの人が、自律的に組織やプロジェクトの成功のために動くというのが、 一番のコンセプトであり、肝になります。

たとえば、スタートアップの一番大きなインセンティブはストックオプションでした。ストックオプションができる前は、社員は雇用され給料をもらうのみでしたが、そこにストックオプションが出てきて、自社株の一部をもらうことでコミット感が出て、会社が成功したら自分も金銭的なリターンを得られるというインセンティブが働くようになりました。

だから、ストックオプションや株を持っているメンバーは、より自律的にコミットして、その組織の成功に委ねるというのが大きかったわけです。一方で、いままでのストックオプションの仕組みは、 創業メンバーをはじめ、一部のコアなメンバーに限られていたし、株式も一部のベンチャーキャピタルがほとんどを持っていた。つまり、従業員以外の関係者、さらにユーザーの貢献には見返りはなかったわけです。

YouTubeにしても、初期から応援した人に対し、1円の還元もない。iPhoneを初期から買って応援しているユー ザーにもありませんし、ゲームでも一緒です。

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