日本企業の時価総額はなぜ低いままなのか。答えは非財務情報にある。
まだ正月ムードが色濃い1月3日、米IT大手アップルの時価総額が3兆ドル(約340兆円)の大台を突破したことは、市場関係者に衝撃を与えた。
それもそのはず。東京証券取引所1部上場2185社の時価総額は合計で約730兆円。アップル1社に東証1部全体の半分近い値段がついたのだ。
いったいなぜここまでの高値がついたのか。それを知るために、アップルの貸借対照表や損益計算書などの決算書類を見ても、実はほとんど意味がない。
例えば、貸借対照表には企業の「正味価値」「解散価値」などと呼ばれている株主資本が載っている。アップルの株主資本は約7兆円。実はこの金額はソニーグループのそれとほぼ同じ。でありながら、時価総額では足元でアップルが約330兆円なのに対し、ソニーは18兆円と大きな差がある。
アップルの時価総額のうち、株主資本で説明できる部分はわずか2%しかない。残りの98%、320兆円以上の価値は決算書類のどこにも載っていないのだ。
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