非財務資本が生死を分ける 情報開示で企業価値向上を

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本企業の時価総額はなぜ低いままなのか。答えは非財務情報にある。

写真左:ソニーグループの吉田憲一郎CEO(撮影:梅谷秀司)、写真右:米アップルのティム・クックCEO(APPLE INC./AFP/アフロ)

特集「企業価値の新常識」の他の記事を読む

まだ正月ムードが色濃い1月3日、米IT大手アップルの時価総額が3兆ドル(約340兆円)の大台を突破したことは、市場関係者に衝撃を与えた。

それもそのはず。東京証券取引所1部上場2185社の時価総額は合計で約730兆円。アップル1社に東証1部全体の半分近い値段がついたのだ。

いったいなぜここまでの高値がついたのか。それを知るために、アップルの貸借対照表や損益計算書などの決算書類を見ても、実はほとんど意味がない。

例えば、貸借対照表には企業の「正味価値」「解散価値」などと呼ばれている株主資本が載っている。アップルの株主資本は約7兆円。実はこの金額はソニーグループのそれとほぼ同じ。でありながら、時価総額では足元でアップルが約330兆円なのに対し、ソニーは18兆円と大きな差がある。

アップルの時価総額のうち、株主資本で説明できる部分はわずか2%しかない。残りの98%、320兆円以上の価値は決算書類のどこにも載っていないのだ。

関連記事
トピックボードAD