気候変動を経営戦略に反映し、企業価値向上につなげたい。
「正直、何から手をつければいいのか、まったくわからない」──。
今、多くの上場企業が頭を抱えるのが、「TCFD開示」への対応だ。4月以降に東証プライム市場に上場する1841社が6月末までに何らかの対応を迫られる。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言では、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目を全産業共通の開示項目としている。項目名を見ればわかるとおり、TCFD開示は単なる“環境対応”開示ではない。
とくに「戦略」への対応が企業にとっては難しい。自社事業において、マテリアル(企業経営上で重要)な気候関連のリスク・機会を把握し、経営戦略に組み入れることを求められるからだ。中でも「シナリオ分析」が最大の難所といわれる。ここではそのシナリオ分析を4つのステップに分けて、解説していく。
最初に行うべきは、気候変動で自社のどの製品やサービスに影響があるのか特定することだ(ステップ1)。
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