有料会員限定

「高ROEだけではダメ、TCFDや人的資本の開示充実は待ったなし」 インタビュー/一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤邦雄

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20
拡大
縮小
いとう・くにお 1951年生まれ。75年一橋大学商学部卒業、92年同大教授。2014年に公表した「伊藤レポート」で時の人に。15年同大CFO教育研究センター長。19年TCFDコンソーシアム会長。「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」座長として20年9月「人材版伊藤レポート」を取りまとめた。(撮影:梅谷秀司)

特集「企業価値の新常識」の他の記事を読む

機関投資家は気候変動関連のリスクや機会、人的資本など、非財務情報の開示や充実をますます求めるようになっている。その背景は大きく3つある。

1つ目は会計の地殻変動だ。財務諸表に載っている情報だけでは、株価や企業価値を十分に説明できなくなった。かつては最新の生産設備などピカピカの有形資産を持っていれば競争力が上がり、ひいては企業価値も高まった。ところが1990年代後半以降、企業価値を高めるドライバーが無形資産へと移った。

有形資産は財務諸表に載っている。ところが、無形資産は一部のソフトウェアや「買収(時に計上する)のれん」くらいしかない。すると、企業価値を調べようとして財務諸表を見ても、よくわからない。そんな状況が続いている。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
企業価値の新常識
会計士 誌上覆面座談会
独自調査 4大監査法人の働き方改革
独自調査 監査報酬ランキング
あの大企業の粉飾も見抜けなかった
大手から流出する顧客企業は年々増加
インタビュー/日本公認会計士協会会長 手塚正彦
開示担当者 誌上覆面座談会
開示が頻繁だと経営が短期志向になるって本当?
10年後「稼ぐ力」の上手な示し方|事例6
10年後「稼ぐ力」の上手な示し方|事例5
10年後「稼ぐ力」の上手な示し方|事例4
10年後「稼ぐ力」の上手な示し方|事例3
10年後「稼ぐ力」の上手な示し方|事例2
10年後「稼ぐ力」の上手な示し方|事例1
気候変動対応の次はこれ!
プライム1841社に期限迫る
機関投資家に買ってもらえなくなる?
インタビュー/一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤邦雄
非財務資本が生死を分ける
情報開示で企業価値向上を
企業価値の新常識
「非財務」で生きる会社、死ぬ会社
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内