気候変動は農産物の生育環境や収穫量に影響を及ぼす。それが事業に直接インパクトを与えるとの危機感を強める企業の1つが、キリンホールディングス(HD)だ。
「最も深刻なのは、栽培に適した土地が限られているホップの収穫量減だ」と語るのは、キリンHDのCSV戦略部シニアアドバイザー、藤原啓一郎氏。ホップはビールの苦みや香りづけに用いる植物で、同社の柱であるビール事業には必須の原料だ。その調達先の北米では、気候変動で栽培が難しくなる可能性があるという。
キリンは国内食品企業でも先駆けて、TCFDの提言に基づいた開示を行った。TCFDでは複数のシナリオから前提条件を選ぶことになるが、キリンでは2100年までの世界平均気温の上昇が、少なくとも50%の確率で産業革命前比2度に抑えられる場合(2度シナリオ)と、4度となる場合(4度シナリオ)でリスクを比較した。提言の発表は2017年。キリンは翌18年の6月から開示を行っている。
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