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なくならない不正会計 企業監査「信頼失墜」の歴史 あの大企業の粉飾も見抜けなかった

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監査事務所の新たな登録制度で、企業の粉飾決算は防げるのか。

「会計監査の発展の歴史は不正対応と規制強化の繰り返しだ」。会計監査の歴史に詳しい八田進二・青山学院大学名誉教授はそう語る。この言葉を裏付ける文書がある。

「公認会計士の一部には、被監査会社が多額の粉飾経理を行なつているにもかかわらず、監査の実施に当たつて相当の注意を怠つたため粉飾経理の事実を発見できなかつた事例、多額の粉飾経理を行なつている事実を知りながら適切な措置をとらなかつた事例等、監査人が公共的使命をおびた公認会計士としての職責を十分に果たさなかつた事例が相当数見受けられ、誠に遺憾に存じます。」(原文ママ)

東芝事件かオリンパス事件の後にでも出された文書かと思われるが、さにあらず。これは昭和41年(1966年)に、大蔵省(現財務省)が日本公認会計士協会に厳正な監査の実施を求めた通達である。昔も今も会計不正はなくならない。その都度、監査の厳格化の必要性が叫ばれ、時には法制度の改正も実施されてきた。

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