ABCマート、異例の"高収益小売り"の秘密 なぜ12期連続で増収増益を達成できるのか

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こうした追い風を受け、既存店は2014年4月の消費増税後も堅調に推移。2015年2月期は売上高が前期比13%増の2013億円、営業利益が同19%増の406億円と、好業績が見込まれる。

昨年夏に業績予想を上方修正したが、これをさらに上回る可能性もある。12期連続で営業最高益を更新するのはほぼ確実だ。

ただ、外国人の効果は国内売り上げ全体のうち、2~3%の押し上げにすぎない。女性のスニーカーブームもここ2年ほどの出来事だ。12年も連続で増収増益を達成している要因は、ABCマートの地力によるところが大きい。

自社企画品の比率が75%

同社の強みの1つは、好採算な自社企画品の豊富な品ぞろえだ。ABCマートでよく売れている、英ホーキンスや米VANSといった海外の有名靴ブランド。実はこれらはABCマートが商標権を取得し、自社で開発から製造、販売まで手掛ける自社企画品だ。こうしたプライベートブランド商品(PB)が売上高の半分を占めている。

野口社長も土日には店舗に出て靴を売る

残り半分が、ナイキやニューバランスなどナショナルブランド商品(NB)だが、これらも単なるNBではない。野口社長は「メーカーと一緒に商品開発している。NBのうち、6~7割が他店では売っていないもの」と説明する。

専売品であるため、競合がなく、値崩れしにくい。NBは粗利率がPBより低くなるが、企画段階から加わることで、NBであっても粗利率がそれほど下がらない。問屋を通さず直接取引する仕組みも、収益への寄与が大きい。

PBと独自NBを合計した自社企画比率は75%程度に上り、全体の粗利率は6割近くと他社を圧倒する。小売業でありながら営業利益率は2割近い優等生である。

2つ目が強い現場力だ。野口社長を筆頭に、本部社員も含めてほぼ全員が、土日に店舗に出て靴を売る。まさに全員野球。野口社長は「POSデータだけではわからない、お客様の買った理由や経緯を知ることが重要。都心と地方・郊外の両方に行くことで、売れ筋の違いを見て、商品展開も変えている」と語る。

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