「働く覚悟や目的」がわからない、どうすれば? 自分の興味を知り、努力も忘れずに

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また、実際に仕事を経験せずとも、たとえばそれぞれの分野に応じた資格勉強などを通じて、自分がどんな分野であれば興味を持てうるかを探る、という事もありなのではないでしょうか。たとえば簿記の勉強をしてみたけど、どうしてもしっくりこないし集中できない、という事であれば経理の仕事が長続きする可能性は高くはないかもしれませんよね。

そういった事も通じて、積極的に仕事の疑似経験をしてみつつ、自分にとっての仕事への興味を探る事で、短期で「仕事が合わない」という理由で辞める可能性を少しでも減らす、という事ができるのかもしれません。

自分にとっての武器を増やそう

また、Tさんはすでに何度が短期での退職をしていますので、それ自体がネガティブに取られる可能性は大いにあります。であるが故に、たとえばわかりやすい資格取得を同時並行的に行い、自分にとっての武器を増やす努力をする、という意味でもやってみる価値はあると思います。

そして、興味の矛先がわかった後は、ご自身の仕事に対するスタンスや向き・不向きを理解することです。何度か会社を辞める中で、恐らくご自身の仕事におけるクセをすでにいくつかご存知のはずです。なぜ1社目の会社が使用期間終了とともに解雇されたのか、2社目で理解したTさんにとっての激務の定義は何か、3社目で上司からのプレッシャーはなぜ激しかったのか、そういった反省や判断の材料が幸いにもあるわけですから、それらを学びにして、ではどうすればよいか、と今後の成長の糧にするプロセスが重要なのではないでしょうか。

仮に1社目と3社目の解雇の理由が同じであれば、ご自身の弱点を知り得ますから、当然次回の仕事を探す際には弱点に焦点が当たらないような仕事、または克服できうる仕事のスタンスをとってみる、という事も可能になるわけです。そういった分析を通じて自分にとっての仕事をする上での向き不向きなどを棚卸してみましょう。

長期的に働くためには、自分自身にとってどういった状態がストレスで、どういった事項については我慢ができるのか、そういった事を知り、なるべく自分に合っていそうな仕事や職場を探す、という事が第1歩だと思います。その中で当然アレもコレも嫌だ、では話になりませんので、優先順位をつけましょう。

たとえば仕事そのものが好きなので勤務時間や職場の人間関係はさほど気にならない、という人もいますし、その反対もいます。どちらが正解という事はまったくなく、個々人が自分自身の価値観でもって優先順位を判断をすればよいのです。

その上で、優先順位の低い事項で嫌な事があったとしても我慢をする、環境を変える努力をしてみる、という事を徹底するのです。どんなことであっても、まずは辞める・逃げる、という前にご自身ができる限り環境を変える努力をする、という事が非常に重要です。

この様に、まずは自分の興味のある事をベースにやりたい仕事を探しつつ、同時並行ですることで優先順位をつければ自ずと我慢もしようがあるのだというものではないでしょうか。

コミュニケーションを図ることも重要

そして仕事を見つけたのちに、実際に仕事をするにあたっては、まずは丁寧に自分自身に何を求められているのか、なぜそれをするのか、をキチンと丁寧に上司たる方とコミュニケーションを図る、という事が重要になってきます。先ほど「仕事とは結果を出す事だ」と言いましたが、当然最初のうちは何もわからないわけですから、結果を出すという事は難しいわけです。だからこそ、ご自身の仕事と求められている期待値を、日々丁寧にコミュニケーションしていく、ということが重要になるのだと思います。ご自身が仕事において向かう方向性をきちんと明確にして、同時に現在の自分の仕事における居場所を随時把握する、という事でしょうか。

すでに3社退職しているという事はネガティブに取られる可能性はありますが、一方で自分自身を理解して自分に合いそうな仕事を見つける、という意味においては貴重な経験をしてきたのだと捉えることができますし、その様に考え、経験を活かすべきなのだと思います。Tさんがその様にして理想の仕事に出会えるであろうことを応援しております。頑張って下さい。

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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