「次世代トラック開発に、遅れも焦りもない」 日野自動車 下義生社長

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「2025年度の中期経営目標を変えるつもりはない」と述べた下社長(撮影:尾形文繁)

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トヨタ自動車グループの日野自動車と、独立系のいすゞ自動車の2強体制が続く日本の商用車(トラック・バス)メーカー。いずれも海外では東南アジアを大きな地盤としており、今回の新型コロナウイルスで足元は現地での販売台数が落ち込んでいる。
アフターコロナの成長戦略をどう描き、同時に電動化などの大変革期にどう備えるのか。日野自動車の下義生社長に聞いた。

物流を支える重要性を改めて痛感した

──商用車メーカーもコロナで厳しい販売環境に直面しています。
 
 一時は海外のほとんどの工場で操業が止まった。6月までにほぼ再開に漕ぎ着けたが、感染自体が収束しておらず、需要が元の水準には戻っていない。特に東南アジアをはじめとする新興国は財政的な制約で大規模な経済政策が打ちづらく、本格的な回復には時間を要するだろう。

海外事業の柱をなすインドネシアを例にとると、これまでは政府が予算をつける建設、鉄道工事が毎年多くあった。しかし、今はコロナ対策が最優先。インフラ関連の予算は後回しになり、ダンプカーの需要が冷え込んでいる。インドネシアでは本来なら来年に排ガス規制が強化されるはずだったが、今の経済環境では物流事業者に車両の買い替え余力がないとして、政府の判断で先送りになった。

インドネシアは日野自動車の海外における最大地盤。現地では通常のトラックに加え、鉱山採掘現場などで使用される大型ダンプも展開している(写真:日野自動車提供)

一方、国内は商談件数や受注が当初想定したほどは落ち込んでいない。コロナ禍でも物流自体はしっかり機能しており、お客さんへのフォローもちゃんとできている。ただ、心配なのはこれから先。コロナで経済が悪化し、景気の先行きが不透明なため、新たな車両の導入を延期する動きも一部に出始めている。

──トラックに比べると台数ははるかに少ないですが、国内のバスは観光用が相当に厳しいのでは?

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